今市石畳の歴史

今市は肥後藩主が参勤交代の休憩地になっており、肥後藩主細川候の参勤交代道路として使用され、本陣、脇本陣をはじめ茶屋、代官所、造酒屋等、軒を並べて賑わっていました。道幅8.5mの中央部に幅2.1m長さ660mにわたり、全面平石が敷き詰められており、さらに家屋に出入りの為の敷石が6ヶ所あります。この石畳は豊後鶴崎と肥後熊本を結ぶ肥後(豊後)往還の一部で、江戸時代、肥後藩細川氏の参勤交代道路として利用されていました。(豊後岡藩中川市も一時期利用していたようです)道路の両側には町家が立ち並び、今市町(岡藩の宿場)として賑わっていました。ここの宿場は一筋通の町並みだったため、宿場の中が見通されるのを防ぐ意味から、街の中央を鉤の手に二度曲げられています。県内に現存する石畳道は少なく、貴重な交通遺跡として、昭和47年3月21日に県史跡に指定されています。

見どころ・聞きどころ

  1. 石畳
    幅3.3mの石畳が、長さ660mにわたり続き、江戸時代にタイムスリップしたような感覚を味わう
    途中信玄曲がりという直角に曲がる昔の人の知恵にも触れる
  2. 丸山神社楼門
    日光東照宮の門を模した「日暮しの門」は、荘厳で大変素晴らしく、門に彫られている多くの彫り物を見るのも楽しみの一つ

概略説明

今市宿は、熊本~鶴崎の肥後街道(豊後街道)沿いにあり、野津原まで3里(約12km)・大分市府内まで6里(約24km)・鶴崎まで8里(32km)そして久住4里(16km)の位置にある。今市宿は岡藩の宿場町で、岡藩の参勤交代時には宿として、肥後藩の参勤交代時には休憩場所として利用されていた。

今市宿は、海抜約500mの高さ(大分市にある高崎山と同じ程度の高さ)にある。

宿場町は40数戸あり、石畳の長さは660m・幅は3.3mあり、完全に現存しているのは稀だそうだ。ただ過去は、街道の道路として利用されていたので、トラックやバスが通っていたため、石が傷んで欠けているところがあるのが残念なところとのこと。

宿場町の特徴の一つとして、石畳の途中で90度に直角に2回曲がっていて、これを信玄曲がりというそうだ。目的は、宿場町全体を見通せないこと(侵攻を防ぐ)と宿場町全体の火事の延焼を防ぐため(昭和20年に大火があり、上の集落は全部焼けたが下の集落はまぬがれた)だそうだ。

以前は、10月くらいに1万本ほど竹灯籠を並べて天の川のようにして、幻想的なイベントをおこなっていたが、現在は枝垂桜(しだれざくら)の咲く3月終わりには、かなりの人が訪れる。

今市宿 下の集落

昔薬屋だった萬屋には江戸時代、岡藩と親交のあった千葉周作(北辰一刀流創設者)の次男の千葉栄次郎がここに泊まったという記述があるそうだ。

安楽寺(浄土真宗)

今市宿40軒ほどの集落にお寺が二軒あるうちの1軒。

排水溝

両脇には、江戸時代からある排水溝を見ることができる。

石畳

代官屋敷や豪商の家には、石畳が玄関前まで伸びている。身分により石畳を歩ける人も限られており、身分の低い人は石畳横の砂利道しか歩けなかったそうだ。

石畳はかなり凸凹になっているが、昔は凹凸がなく、なめらかな道だったそうだ。

信玄曲がり

今市宿 上の集落

御客屋跡

各藩使者の宿泊所として利用させていた御客屋のあったところで今は空き地だが、今後休憩所として整備する予定があるそうだ。敷地内には、尾根にある宿場町には、珍しい井戸がある。

この裏手には、地元の方々がやっている人気の特産品の販売店「若妻の店」があり、そこと繋げ、人の往来ができるようにしたいと考えているそうだ。

丸山神社楼門

加藤清正が、1610年に参勤交代の安全を祈願して創建したのが丸山神社の始まりだ。日光東照宮の門を模した楼門は、別名「日暮しの門」といわれ、1720年建立され、いくつもの人物人物彫刻が刻まれている。冬に母親のために筍(たけのこ)を掘り採った孝行者の孟宗にちなんだ孟宗竹(もうそうちく)をはじめ、二十四孝(中国において後世の範として、孝行が特に優れた人物24人を取り上げた書物)の彫り物や十二支の動物、酒造りの工程なども彫られている。

楼門は、大分県の文化財に指定されている。

野津原ボランティアガイド協議会

約400年前に参勤交代道路として利用された今市石畳。大分県指定文化財の歴史ある石畳を散策しましょう。

所在地
〒870-1292 大分県大分市野津原800
電話番号
097-588-1111

ツアープラン情報

ツアー名
今市石畳の歴史
料金
無料
開催日時
8:30〜17:15
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お問い合わせ
野津原ボランティアガイド協議会
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