阿波踊りミュージアム見学

衣装や小道具、昔と今の鳴り物阿波おどりの変遷をわかりやすくパネルなどで展示されているミュージアム内を、ガイドさんの説明を聞きながらより深く理解していきます。

阿波踊り

阿波踊りは、8月12日~15日の4日間にかけて、盆踊りとしておこなわれている。

女性の踊り手は、手を挙げて足を運べば阿波踊りらしくなるが、結構きつい。

男性の踊り方には3つのパターンがあり、3人一組となっている。 

1つ目:暴れ踊りといわれ、腰を落として足を自由に動かしながら踊る(阿保調)

2つ目:腰を落とし、網を引くようにすり足で踊る(娯茶平調)

3つ目:腰を落とし背筋を伸ばして、つま先で前に進みながら踊る(のんき調)

実際に体験してみると、足に負荷がかかりきついことが実感できる。地元では、阿波おどり体操が健康体操としておこなわれているほどだそうだ。

踊り子さんたちは、今年の踊りが終われば、来年に向けて練習を始めて準備をしている。

阿波踊りの起源

阿波踊りの起源は諸説あり、藍商人たちにより様々な踊りが城下の踊りとして取り入れられ、町の発展と共に変化しながら現在の阿波踊りになっていった。

3つの説

1. 盆踊り説

鎌倉仏教の一つ「時宗」開祖の一遍上人が晩年、徳島に1か月に滞在して念仏を唱えながら踊ったことによる。

2. 風流(ふりゅう)踊り説

室町時代後期、近畿・徳島などを支配していた三好氏の記録「三好紀」(1663年作)の中に、天正6(1578)年に阿波で風流踊りを開催したという記述があり、これが阿波踊りに発展した。ウィキペディアによると、「風流踊りは中世芸能の一つで、鉦(かね)・太鼓・笛など囃子ものの器楽演奏や小歌に合わせて様々な衣装を着た人びとが群舞する踊りである」とある。

3. 築城起源説

天正15(1587)年に徳島城が築城した際、祝賀行事として踊り、これにより阿波踊りが始まった。

阿波踊りの芸態

「組踊り」

風流踊りを継承する踊りで城下の14町それぞれの組が趣向を凝らした出し物のこと。

文化年間の頃の徳島藩の記録によると「一組(いっとくみ)は、踊り子・鼓・太鼓・屋台担ぎ・白持などで総勢100人以上になる。この類の音頭風の文句は、「その踊りによって作る。趣向は年々様々なる」と記されている。毎年このような形で城下町を行進しながら練り歩く。

俄(にわか)

俄踊りの基本は即興の寸劇で、見物人が集まっているところで豪華な衣装で寸劇や落語の小咄・風刺劇・手品などを演じることを俄と言った。拍手喝采を浴びることによって、演じることの魅力が増していき、発展していった。

当時の阿波踊りが描かれた絵を見ると、スイカのかけらがあちこちに落ちていて、水分補給がおこなわれていた。今でいうマラソンの給水の役割だったと思われるが、それほど阿波踊りは激しいということだろう。

「ぞめき」踊り

「ぞめき」とは浮かれて踊るという意味があり、浴衣1枚あれば市民が自由に参加できる踊りで俄(にわか)から発展した二拍子の陽気な踊りで、江戸時代後期12代斉昌(なりまさ)の頃に始まった。

最初は「組踊り・俄」が主流で豪華な衣装や派手な出し物だったが、藩の奢侈(しゃし)禁止の規制が厳しくなり「組踊り・俄」が衰退し「ぞめき」が中心になっていった。

明治時代以降の阿波踊り

ジオラマで、阿波踊りの風景が再現されている。

阿波踊りは、お盆の時だけでなく、お祝い時にも踊られていた。戦勝(日清・日露戦争時)や市政〇〇年記念、天皇・皇太子がお見えになった時などだ。そして運動会ではプログラムに組み込まれ踊る。

阿波踊りの名付け親の林鼓浪(ころう)は、明治29(1887)年生まれで、随筆や絵画作品を通じて徳島文化を世に広めた。

お鯉さん「阿波よしこの」第一人者

本名:多田小餘綾

1907年4月~2008年4月徳島市生まれ、6才から三味線を習い1930年「お鯉」と改名。1931年に「阿波よしこの」をレコーディングし、百歳で亡くなるまで阿波踊りの歌である「阿波よしこの」を歌い阿波踊りの発展に貢献した。

※ 2007年徳島市名誉市民の称号が贈られる

太平洋戦争後

終戦翌年の昭和21年に阿波踊りは復活した。復活を機に阿波踊りは急速に発展していった。全国で知られるようになり、各地のイベントで阿波踊りが踊られるようになって、海外遠征もおこなっている。

高円寺や南越谷では定着したイベントとして阿波踊りが毎年開催され、人気になっている。

阿波踊りの本場は徳島‼

毎年作られる「阿波踊り観光ポスター」が展示されていて、それを見るのも時代を感じて楽しい。

エピローグゾーン(展示の最終ゾーン)

  • 和紙人形で「組踊り」と「ぞめき」の様子が展示。
  • 衣装と鳴り物の展示
    使用楽器のいろいろが展示され、現在の標準使用楽器との違いがわかり、楽しい発見がある。

ツアーを終えて

今まで阿波踊りは漠然と理解していたが、今回詳しく説明いただき、大変勉強になりました。阿波踊りがとても体力を使うことや歴史を通して阿波踊りの変遷など、阿波踊りに対する理解が深まりました。ありがとうございました。

とくしま観光ガイドボランティア会

心温かいおもてなしの心で徳島市内中心部をガイドします。映画「眉山」の支援にも携わってエキストラ出演しました。明るく陽気な会員がご案内します。

所在地
〒770-0904 徳島県徳島市新町橋2-20 阿波おどり会館1F内
電話番号
088-655-1910

ツアープラン情報

ツアー名
阿波踊りミュージアム見学
料金
無料
※別途、阿波おどりミュージアム入場料 300円
(小・中学生 無料)
開催日時
阿波おどり会館ホール公演開始前のガイド(予約なし)
・毎火曜日・土曜日(1日2回)
午前10:20~10:50
午後13:20~13:50
ツアー時間
20分
予約受付
3 日前まで
お問い合わせ
とくしま観光ガイドボランティア会
TEL
088-655-1910
定休日
阿波おどり会館開館日と同じ【臨時休館日(6月、10月、2月第2水曜日)※祝日の場合は翌日・年末年始(12/28~1/1)】
営業時間
9:00〜17:00
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