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鳥羽 概要

鳥羽は江戸時代、大坂から江戸に海路で荷物を運ぶ中継地になっていた。

日和山展望台からは三島由紀夫の小説「潮騒」の舞台になった神島が見える。島の奥には、愛知県の渥美半島が見え、鳥羽港から神島まで14km・船で1時間、鳥羽港から渥美半島の伊良湖まで18km・フェリーで同じく1時間で行ける。神島からは伊良湖のほうが近い。

江戸時代から明治時代にかけて、鳥羽から３人の偉人が誕生している。

• 御木本幸吉…養殖真珠を発明し、その特許を取って事業を拡大した。ミキモト真珠島では現在、海女さんのショーをやっている。鳥羽は海女さんの数日本一だ。
• 門野幾之進…明治初期に慶応義塾に入り、福沢諭吉に師事し、教頭まで上り詰めた。諭吉死去後に辞し、千代田生命保険を創立している。
  
• 近藤真琴…鳥羽に商船学校を創立した。
  

答志島

縄文・弥生の遺跡が発見されていて、奈良へ海産物の貢物がおこなわれていた。今でも海産物が多く採れ、「鰆・ワカメの町」として有名だ。　　

鳥羽港と答志島の間には海外の大型客船が定期的に着いて、ここから伊勢神宮のお参りに行くそうだ。

日和山

日本に80数か所の日和山がある内の一つになる。太平洋戦争前後には、外国人を含む多くの観光客が訪れ、展望台には茶屋があった。

方位石

鳥羽港は帆船の時代、風待ち港として栄えた。船頭さんは明日の天気や風の状況を見るため、日和山に登ったと伝えられている。方位石があり、文政5（1822）年2月に石工平吉により作られたと刻まれている。

無線電話発祥の地

大正3（1914）年12月に、鳥羽～答志島～神島間の連絡用として、世界で初めて無線電話の実用化に成功した。

鳥羽主水の砦跡

鳥羽主水は戦国時代、志摩13地頭の中心人物であった。砦では海を見ながら船が入ると駆けつけて、入港税を取っていた。

市街地

海と逆側に降りていくと、限られた敷地に家が隣接していて、古い町並みが広がる。

現在の市街地は、海を埋め立てたエリアに住宅を建てて多くの人が住んでいる。

賀多神社

織田信長・豊臣秀吉に仕えた九鬼嘉隆の時代、秀吉の命で朝鮮征伐に行った時に、ここの杉を使って日本丸という船を造り、朝鮮に行った。その褒美として、千本の杉が植えられたといわれ、その内の1本が残っている。

神社の境内では組立て式の能舞台が作られ、歴代のお殿様が能を愛でた。江戸時代に作られた組み立て式の能舞台で、使用できるものはここだけになる。その能舞台をはじめ、衣装やお面が保存されている。

昭和29（1954）年に上映された「ゴジラ」で、怒りを鎮めるために獅子舞が踊った場所にもなった。

江戸川乱歩館

明治時代に鳥羽に造船所が作られたが、その造船所に江戸川乱歩が作家デビューする前の23～24才にかけて1年3カ月ほど広報部門で勤めていた。その時に奥さんと出会っている。館内では、江戸川乱歩の紹介をはじめ、乱歩が撮った動画を見せている。

御木本幸吉生誕地

御木本幸吉は安政5（1858）年生まれで、生家はうどん屋「阿波幸」をやっていた。世界で初めて真珠養殖に取り組み、ミキモトパールの名で世界中に真珠を広めた。

鳥羽城跡

鳥羽城は、九鬼嘉隆が1594年に築城している。城跡の登り口には、江戸時代に家老屋敷があった野面積みの石垣が残っている。江戸時代を通じて、志摩の国の政治の中心であった。

城山公園

城山公園として整備されたところに、昭和20年代神鋼電機青年学校の校舎があった。当時は眼下すぐのところに港があり、ミキモト真珠島まで通船で渡っていたが、今は橋で渡ることができる。眺めも良く、市民憩いの場になっている。

本丸跡

天守跡の看板がある広い敷地は、小学校の運動場があったところで、敷地の奥には昭和4(1929) 年～平成20（2008）年まで使われていた3階建ての校舎が見える。三重県最古の鉄筋コンクリート構造の建物で、国の登録有形文化財に指定されている。

鳥羽水族館

アシカ・セイイチ・ラッコ・ジュゴンなど飼育数日本一の水族館で、観客と一体感が感じられるようなショーをおこなっている。新しいことを常に取り入れる努力をしていて、観客に喜んでもらっている。今や観光鳥羽の中心地である。