宇和島と大洲を結ぶ宇和島街道の宿場町として栄えた卯之町には江戸後期から昭和初期の町家が立ち並び、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。その一角にある明治15年築の開明学校で明治の授業を体験した後、宇和民具館においてこの町で使用されていた祭り・暮らし・商いに関する民具を見学します。そのあと、ガイドの案内のもと卯之町の町並みを巡ります。
帯同していただいたガイドさん
- お名前
- 三好 貴子 さん
- ガイド歴
- 10年
- 趣味・特技
- 旅行
- 一言PR
- 歴史と文化の薫町を訪ねてみませんか。個性あふれるガイドがご案内します。
開明学校
江戸時代の子供たちが勉強する場は寺子屋や私塾だったが、明治時代に入ると国民皆学を目指し、1872(明治5)年の学制発布により、学校の設置が計画された。開明学校は、1882(明治15)年に建てられた小学校で、四国最古の木造校舎である。白壁にアーチ型の窓で外国製のガラスが入ったことが当時はとても珍しかった。
1997(平成9)年に国の重要文化財に指定された。
明治時代当時の授業(疑似体験)
始業合図
時報板という板を木づちでたたき、授業の始まりを知らせる。
掛図
教科書は当時高価であったため、勉強する内容をまとめたものを壁に掛けて、授業がおこなわれていた。
授業は、読み書き(国語)、算術(算数)、修身(道徳)、歴史(社会)と続いた。そして、唱歌(音楽)の授業として、オルガン(風琴)の演奏で唱歌を歌った。
宇和民具館
祭り・暮らし・商いに関する昔の人の知恵や想いを今に伝える博物館で、実際にこの町で使用されていた民具を中心に展示している。
牛鬼・五ツ鹿踊り
牛鬼は、神社のお祭りの練り物の一つで、行列の先頭を練り歩き、悪霊を祓う役割を担っている。
写真奥に陳列されている五ツ鹿踊りの衣装は、大坂冬の陣で手柄を立てた伊達政宗の子である秀宗に宇和島藩が与えられ入部して以降に、仙台から伝えられたと言われている。
頭に角がある鹿は牡鹿、鳥居の鹿は女鹿だそうだ。
栄座
卯之町には、同じ愛媛県で国の重要文化財に指定された内子座より大きいまわり舞台があったという芝居小屋(のちに映画館)があった。昭和47年に解体されたため、ジオラマとして当時の雰囲気を偲ばせている。
板でできた看板には、戦後すぐに有名な俳優が訪れたことがわかる。
重要伝統的建造物群保存地区に選定されている卯之町のジオラマがあり、当時は5軒ほど造り酒屋があった。現在は1軒だけだそうだ。
昔の写真撮影風景
昔の衣装を着て、手持ちのカメラで記念写真を撮ることができるコーナーがあった。昔の写真機のレンズを覗き、上下さかさまの映像を見ることができる。
卯之町の町並み
うだつ
火事の延焼を抑えるための漆喰で出来た袖壁がある。
末光家住宅
末光家の住宅は1770(明和7)年築で、造り酒屋・しょうゆ製造などをおこなってきた。格子・蔀(しとみ)や大工さんの腕の見せ所の持ち送りなどを見ると、立派な造りだということがわかる。家の中も、回転戸袋・箱階段・ジャバラ式のすり戸など目を見張る造りがいろいろあり、毎月第1日曜日には一般公開がおこなわれている。
ベンガラ色の家
ベンガラは湿気に強いそうだ。元料亭の建物で、玄関上や屋根瓦四隅には、大根の飾り瓦がある。
松屋旅館
江戸時代創業の旅館で、犬養毅をはじめ歴代の首相や新渡戸稲造など著名人が数多く訪れている。
趣のある町並み
漆喰の白壁の家が建ち並ぶ町並みは、卯之町を代表する風景だ。
右に見える建物は、江戸時代から唯一残る造り酒屋。
大門(鳥居門)
池田屋は、造り酒屋をやっていた庄屋で、本宅は現在喫茶店になっている。
武家屋敷のような総ケヤキ造りの立派な門を造ったため、藩からお咎めを受けた。
二宮敬作住居跡
二宮敬作は、1804(文化元)年に現在の八幡浜市保内町で生まれ、蘭学医を目指し長崎でシーボルトから西洋医学を学んだ。日本地図を持ち出そうとしたいわゆるシーボルト事件で入獄された後解放され、ここで医者を開業した。シーボルトの娘イネは、ここで二宮敬作に医学を習っている。
高野長英隠れ家
岩手県水沢市出身の高野長英は、長崎で二宮敬作とともにシーボルトのもとで学んだ。
その後、幕府を批判した罪で投獄されたが、脱獄し二宮敬作の住む卯之町に一時潜んでいた。その時の住まいの2階だけが平屋のようにして残っている。その後江戸に行き、偽名を使い医者を開業していたが、捕まり亡くなった。
宇和ヤマミ醤油
戦後創業された醤油屋さんで、西予市で獲れたウニを使い、国際線機内食で採用されたウニ醤油や米麹を原料とした甘酒などを販売している人気店だ。
ツアーを終えて
明治時代に建てられた小学校で、当時の授業を学べたのは面白い体験だった。民具館で町の基礎知識を理解した後、実際に町並みを見学したのも、わかりやすくコースの流れもよかったと思います。
宇和町町並みガイドの会
・明治時代に建てられた開明学校(国重要文化財)で袴姿の先生に扮し、明治の授業体験 ・江戸時代から昭和初期の建物が残る卯之町の町並み(国の重要伝統的建造物群保存地区)の案内
- 団体窓口
- 開明学校
- 所在地
- 〒797-0115 愛媛県西予市宇和町卯之町三丁目109番地
- 電話番号
- 0894-62-4292
ツアープラン情報
- ツアー名
- 卯之町の町並みコース
- 料金
- 明治の授業体験について
・開明学校・宇和民具館入館料 1名500円
・授業体験料 1名200円
町並みガイドについて
・町並みガイド料 ガイド1人(お客様20名まで)2,000円
※授業体験をされた場合は、半額の1,000円 - 開催日時
- お問合せください
- ツアー時間
- 約90分
- 予約受付
- 7 日前まで
- お問い合わせ
-
開明学校
- TEL
- 0894-62-4292
- 定休日
- 月曜日・年末年始
- 営業時間
- 9:00〜17:00