酒田紹介コース〜後編

北前船交易で発展を遂げた港町酒田の景観や文化は多彩です。海の玄関口ならではの、新しいものを受け入れる開放的な気風と、各地の文化が混じり合った面白さがあります。300年以上の時を経た今もなお、連綿と続いてきた歴史の息吹と、多様な文化が凝縮された湊町の風景を私たちに見せてくれるのです。

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山王くらぶ

山王くらぶは明治27年の大火で焼失したが、翌年には再建された酒田を代表する料亭で、 酒田燈台を作った大工の棟梁佐藤泰太郎が手掛けた。

1階に座敷が6部屋、2階には大部屋があり、結婚式などにも利用された。

竹下夢二愛用の茶室(夢二の間)

竹下夢二が好んで使用していた部屋で、料亭なので通常泊まることはできなかったが、寝泊まりもしていた。

北前船の間

展示してある船箪笥は船内で使用されていた収納家具で、海難事故で船が転覆しても浮く素材(桐)でできている。

部屋は二間続きになっていて、入口手前の部屋は控えの間で、奥の部屋で商談がおこなわれ、終わればすぐに宴会が始められるような造りになっている。

酒田商人の間

窓には船を引いている漁師、窓上の格子には酒田の風景として鳥海山に松林が描かれている。一部屋一部屋造りが異なり、工夫が凝らしてある。

寺社めぐりの間

こちらの部屋の窓には、投網のデザインが施されていて、上のほうには鳥が飛んでいる風景も見える。

文人墨客の間

こちらの窓には、富士山と三保の松原が描かれている。

料亭文化の間

音や光が入らない土蔵造りで、誰にも聞かれないように、入口が重厚な蔵の扉になっていて、ビップ用の部屋になっている。

2階大広間(傘福の展示)

2階の大広間一面に展示されている傘福は、日本三大つるし飾りの一つと言われている。江戸時代から子孫繁栄や子供の幸せを願い、神社や仏閣に傘福が奉納されていた風習になる。平成17年に商工会議所女性会が酒田の目玉として、傘福を造りここに展示されるようになった。

ほかに、伊豆稲取のつるし飾りや福岡柳川さげもんの飾りも展示されている

2階の天井は、折り上げ天井で立派に見せる造りになっている。

また、辻村寿三郎の創作人形の展示も行われている。

その他

1階帳場として使われていたふれあいの間には、下に仏壇・上に神棚が祀ることができるようになっている。庄内地方ではよく見られる造りで、人は仏になったあと、神になることができる神仏習合の山岳信仰の影響ではないかと考えられている。

酒田大佛

幼稚園の中にある酒田大佛は総高17mあり、金属製の立像としては日本一とのこと。1代目の大佛は1914年に日清戦争と酒田地震の鎮魂の意味を込め建立されたが、太平洋戦争時に金属供出した。

現在の大佛は2代目で、1992年に再建された。

相馬摟

元料亭の相馬摟は、観光客向けに「酒田舞娘」の踊りと食事ができる舞娘茶屋として営業していて、竹下夢二美術館が併設されている。

料亭「香梅咲(かめざき)」

相馬摟の隣には、現在酒田市で唯一営業している料亭の香梅咲があり、その間にある趣のある小道は「見返り小路」と呼ばれ、芸者さんが見送る姿をお客さんが振り返り、別れられなくなるという言い伝えがある。

本間美術館

太平洋戦争に負けたため、本間家が収集してきた美術品を見てもらって日本人の心を取り戻すことを目的に、昭和22年本間家別邸にオープンした。本間家は貧しい人・障害のある人のために尽力することで知られ、その話を聞いて会いたいと思ったヘレンケラーが昭和23年に訪れた。その記念にヒマラヤスギが庭園内に植えられている。

本間家別邸庭園「鶴舞園(かくぶえん)」

本間家4代目光道が1813年に築造した鳥海山を借景として回廊式庭園になる。国指定名勝を受けている。

写真の春日灯籠と赤松は、400年経つものと言われている。

清遠閣(せいえんかく)

庭園と同時期の1813年に本間家4代本間光道が別荘として建てた。1階の広間から庭を見る風景は心がとても落ち着く。

大正14年に昭和天皇が皇太子の頃訪れ、2階で宿泊されている。

八雲神社

スサノオノミコトをご祭神にしている神社で、拝殿の彫り物には八岐大蛇の物語が描かれている。

酒田大獅子一家

1976年に起きた大火の後、復興記念として作られた大獅子で、酒田市役所の一角に展示されている。獅子は悪病・災害除けの対象として信仰されている。

酒田のまちづくりと三十六人衆

源頼朝によって没落した平泉の藤原家滅亡後、3代目藤原秀衡の後妻さんが、36人の家来を連れて出羽三山のもとで弔うため、移り住み、その後酒田で商人となって経済発展に活躍したという言い伝えがある。

山居倉庫

酒田市内は火事が多いため、火の粉が飛んでこない場所に米蔵を造りたいと考えた。また当時物流はすべて舟だったことから船がつけやすいこと、米を出荷しやすいことを考え、川の中州にあった山居島に明治26年倉庫を造った。川の増水に備えるため、3.6mかさ上げされた。下の写真を見ると、石垣でかさ上げされていることがわかる。

現在米が保存されているが、今後新しい倉庫ができる予定で、現役を退いた後は文化材としての活用が期待されている。

米を値段のいい時期に売るために、品質を維持しようとして、倉庫の温度管理に注意を払った。土蔵造り、壁の漆喰、そして西日と海の風を避けるため、倉庫西面にはケヤキが植えられた。

壁板には秋田の杉板をはり、板が黒いのは防湿・防虫のため柿渋を塗ったことによる。

漆喰の壁と杉板の間には40㎝の隙間を作り、熱がこもらないように工夫されている。 

倉庫は、幅13.6m・長さ29.1m・建坪120坪で、60㎏の俵・16000~20000俵を保管することができる。相当な量のため、熱が出るので窓を開けて熱を逃がす工夫がしてある。

酒田市観光ガイド協会

酒田市周辺の観光施設や歴史などを、分かりやすく楽しくご案内します。個人、グループ、団体等何人でも可です。酒田のお祭りにも参加して、酒田を訪れるお客様を各名所にご案内しております。

団体窓口
酒田観光物産協会
所在地
〒998-0838 山形県酒田市山居町1-1-20
電話番号
0234-24-2233

ツアープラン情報

ツアー名
酒田紹介コース〜後編
料金
ガイド1名 1時間当たり 1,000円
開催日時
9:00〜17:00
ツアー時間
2時間程度
予約受付
5 日前まで
お問い合わせ
酒田観光物産協会
TEL
0234-24-2233
定休日
年末年始
営業時間
9:00〜17:00
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