たっぷり薬王寺コース

四国八十八ヶ所第23番札所、厄除けの寺として有名な薬王寺の伽藍をご覧いただきながら、正しいお参りの仕方やお寺に伝わる不思議な伝説をお話しします。
女厄坂(33段)、男厄坂(42段)、還暦厄坂(61段)があり、各石段に落とされた一円玉が有名です。

薬王寺の概略説明

薬王寺は、奈良時代聖武天皇から勅願を受けた行基が726年に建立した。平安時代の825年に平城(へいぜい)上皇の勅命により、空海が本尊厄除薬師如来を刻んで開基した。薬王寺は徳島の1番札所霊山寺を出発する四国88か所の23番札所だ。「発心の道場」といわれる阿波(徳島県)最後の霊場で、高野山真言宗の別格本山でもある。

ちなみに、高知県は「修行の道場」と言われ、寺と寺の距離が長く16寺ある。愛媛県は「菩提の道場」と言われ、26寺あり、最後の香川県は「涅槃の道場」と言われ、23寺ある。

薬王寺には、年間80万人ほどの方が訪れる。

薬王寺 仁王門

国道55号線から薬王寺に向かうと、まず仁王門がある。「阿形」「吽形」2体の仁王像(金剛力士像)が両側にあり、悪霊が入ってこないようにしている。

桜の馬場

仁王門をくぐると、参道の両側にソメイヨシノが300本あり、春はとてもきれいだそうだ。

この馬場は吉川英治作の「鳴門秘帖」の舞台になり、その記念の石碑がある。

司馬遼太郎作の「空海の風景」の中に、石段の風景が描かれていて、その石碑がある。

「石段を厄年の男女が織るように上下しており登るものは一段のぼるごとに一枚ずつ一円アルミ硬貨をおとしていく」

厄除け坂

女厄坂と名付けられた坂は、33段で厄年の33才にあわせてあり、男厄坂は、42段で42歳の厄年になっている。石段の石の下に、薬師本願経の梵字で記された小石が埋め込まれていて、踏むことと1段1段硬貨を落としていくことで厄が払われる。何百年も続く風習だそうだ。

絵馬堂

女厄坂と男厄坂の間に絵馬堂があるが、現在絵馬は飾られていなく、瑜祇塔で保管されている。

大香炉があり、参拝者はここで線香をあげる。

本堂

本堂は3度の大火にみまわれた。最初の大火でご本尊は、8kmほど離れた奥の院の泰仙寺(たいせんじ)に自ら飛んで行って避難し、本堂が再建された時に戻ってきたと言われている。

再建された時に造られた新しいご本尊と戻ってきたご本尊は、背中合わせに並んでいるそうだが、ご本尊が納められているところは施錠されていて、お目にかかることはできない。秘仏後向き薬師如来と言い、二つのご本尊があるのはここだけとのこと。

肺大師

昔肺病がはやった時に、この水を飲んだという話しがある。地下から湧き出ている水で、鉱物が入っている硬水だ。

寿老人(じゅろうじん)・賓頭盧尊者(びんずるそんじゃ)

本堂横の太子堂に向かう渡り廊下に展示されている。

寿老人は七福神の中の一人、賓頭盧尊者はお釈迦様の弟子で大酒飲みだけど心優しい。2体とも撫ぜ仏で、悪いところを撫ぜると願いが叶うと言われている。

大師堂

大師堂は空海を祀るお堂になる。弘法大師は本名佐伯眞魚(まお)と言い、774年に四国の香川県善通寺市生まれた。その後、教海・如空・空海・弘法大師に名前が変わっていった。

随求の鐘

真言(おん ばらばら さんばら さんばら いんじりや びしゅだに うんうん ろろしゃれい そわか)と唱え、自身の数え年の数だけ鐘をたたき厄除けを願う。

瑜祇塔(ゆぎとう)

男女の厄坂または還暦の厄坂と言われ、61段で61才の厄年に合わせてある。

瑜祇塔は、昭和38(1963)年に建立され、高さ29mになる。全国には、薬王寺と高野山・淡路・愛知県の4ヶ所にある。愛知県のものは設計図を貸したため、薬王寺とまったく同じものだが、高さは薬王寺より低い。

世の中すべて二つの相反するものからできているが、一つになることで平和や幸福の基礎があるという瑜祇経の教理を形に表している。

対面の山にある日和佐城は、昔は砦のようなものだった。

美波町には歴史的なことが二つある。一つは、ペリーが来る80年ほど前に、べネフスキーというポーランド人がロシア軍に拿捕され、捕虜となりシベリアに送られたが、ロシアの軍艦を奪い、恵比寿浜に漂着した。代官所では対応できなかったので、江戸にお伺いを立てたため、大騒ぎになった。べネフスキーの血を引く方が最近訪問し、話題になった。もう一つは、平安時代の歌人紀貫之(土佐日記著者)が京都から来て、今でいう高知県の知事だった。京都に南国市から船で戻る時、海賊に遭わないように昼間だけ船を走らせた。日和佐港にも寄ったと言われている。

打抜け

参拝の行き帰りに同じ道を通るのを打戻りと言い、行きと帰りの道を変えるのを打抜けという。帰りは違う道を通って下りた。

ツアーを終えて

厄坂をはじめ、厄除けに関係する場所がいくつもあり、歴史を感じました。瑜祇塔前から見る日和佐の町並みや海を臨む素晴らしい景色は、3つの坂を上ったつらさを忘れるほどでした。

観光ボランティアガイド会日和佐

薬王寺や周辺の町並み、大浜海岸など美波町の観光スポットをめぐります。 2021年10月より「360度カメラ映像によるオンラインガイド・日和佐まちなみコース」を開始しました。(毎週土曜日) ホームページ(https://www.town.minami.lg.jp/kankou-guide/)をご覧ください。

団体窓口
ひわさ駅観光案内所
所在地
〒779-2305 徳島県海部郡美波町奥河内弁財天250-4
電話番号
0884-77-0768

ツアープラン情報

ツアー名
たっぷり薬王寺コース
料金
無料
(ただし、有料施設に入った場合の入館料は実費)
開催日時
年末年始を除き原則午前10時から午後3時までですが、お客様の御要望にお応えします。
ツアー時間
約1時間
予約受付
1 日前まで
お問い合わせ
ひわさ駅観光案内所
TEL
0884-77-0768
定休日
年中無休
営業時間
10:00〜15:00
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