宇佐神宮〜前編

宇佐神宮は、全国八幡様の総本宮で、神輿と神仏習合の発祥地として有名です。隼人の乱平定ののち、慰霊のためにはじまった放生会や境内に弥勒寺を建立したことなどがそれをよく表しています。宇佐市の歴史だけでなく、雑学などいろんなことを知っているので楽しく回ることができます。ぜひご利用ください。

概略説明

表参道両側にある木は、イチイガシという宇佐市の木に指定されていて、宇佐神宮の境内の中心をなしているとのこと。

宇佐神宮は、上宮に上がると一之御殿、二之御殿、三之御殿とある。一之御殿は八幡大神(はちまんおおかみ)で、十五代天皇・応神天皇を祀っている。二之御殿は比売大神(ひめおおかみ)と言って、天照大神の三女神の多岐津姫命(たぎつひめのみこと)・市杵嶋姫命(いちきしまひめのみこと)・多記理姫命(たぎりひめのみこと)を祀っている。三之御殿は、応神天皇のお母様の神功皇后が祀られている。全部合わせて、八幡様といっている。宇佐神宮には年間220万人が訪れ、正月には30~40万人がお参りにくるそうだ。

宇佐神宮表参道 鳥居~大鳥居

鳥居

  • 反っていて屋根がある
  • 両サイドに黒の台輪がある
  • 鳥居が台の上に載っている
  • 額束がない(宇佐神宮と書いた額がない)

ことが特徴になっている。宇佐鳥居とか八幡鳥居と言われている。神宮内に16か所ある宇佐神宮の鳥居の形はすべてこの形になっている。 

朱色に塗られているのは、五穀豊穣と厄除けの意味があるそうだ。

26号蒸気機関車

県の有形文化財に指定されている蒸気機関車で、明治24年にミュンヘンにあるクラウス社で作られたドイツ製で、現在のJR九州が明治27年に購入し、博多~久留米間で活躍していた。その後、昭和40年まで走っていた。国内で現存している3台のうち1台とのこと。

最澄の碑

最澄が、遣唐使に行く前に、無事に唐に行けるようにという願いと、唐に行った後に、宇佐神宮に無事帰ってこれたことのお礼で、2度訪れているそうだ。

天台宗(806)開宗1200年を記念した顕彰碑が建てられている。

東大寺御神幸記念碑

聖武天皇が、奈良の東大寺に大仏を建立した事業で、八幡神はこの事業へ協力の託宣を出し、またその当時、宇佐神宮と弥勒寺(神宮寺)で九州の3分の1以上の荘園を有していて、福岡県田川郡香春町採銅所から採れた銅を東大寺に送った。749年に大仏が完成し、その年の12月に八幡神が紫の神輿に乗って東大寺の大仏を拝したことが、797年完成の「続日本紀(しょくにほんぎ)」に載っている。それで文献上初めて記載されていることから神輿発祥の地とPRしている。

この碑は、平成14年に宇佐市民(約500人)が神輿を担いで、東大寺に行ったことを記念にできた碑。

神武天皇聖蹟顕彰碑

初代天皇の神武天皇が、日向の国から東征にいかれた時、船に乗って最初に宇佐に上陸して、宇佐津彦、宇佐津姫が簡単なお社を建てておもてなしをしたそうだ。その後、筑紫・安芸・吉備・河内・紀伊を経て、奈良の橿原で紀元前660年に天皇に即位したとのこと。その遺功を讃える顕彰碑が、昭和15年に、全国19か所建てられたそうだ。

日向隼人の乱

宮崎の一部と薩摩に居住していた人たちが反乱を起こし、大和朝廷だけで平定ができなかったため、宇佐の神様に加勢を頼み、多くの人を殺めて平定ができた。しかし、その翌年宇佐地方に疫病が流行ったり、凶作だったりで、隼人の祟りではないかということになり、八幡神様の御神体も行かれたので困ったが、仏さまにお祈りしたことで、疫病が治まった。それで、宇佐神宮に弥勒寺ができたと言われている。

それ以降、八幡神は仏教と融合しつつ神威を高め、神仏習合が始まった。

神橋(しんきょう)

寄藻(よりも)川に架かり、大鳥居に向かう途中にある橋で、川には鯉・亀・鴨などが生息している。

宇佐神宮の広さは、福岡ドームの10倍くらいあり、境内の敷地は約17万坪だ。

大鳥居前

大鳥居前に、両側に狛犬がいるが、両方とも阿形だ。邪気が入ってこないように、激しく威嚇している。

その先に、下乗という看板は、これ以上は一般車は入ることができないという意味で、この先に、皇族下乗という看板もあり、皇族の方もこれ以上は車を乗ることはできないという看板が出てくるそうだ。

黒男(くろお)神社

大鳥居の手前右にある神社が、黒男神社で武内宿禰命(たけのうちすくねのみこと)を祀っていて、5代の天皇に仕えて(景行・成務・仲哀・応神・仁徳)、宇佐全体をお守りしている神様でもあるそうだ。

社の屋根は檜皮葺(ひわだぶき)でできていて、檜(ひのき)の皮50~60枚を使い、竹釘を使って留める工法で、金釘などは一切使わず、30年くらいしか持たないそうだ。 

大鳥居

高さ12mで、宇佐神宮内では一番大きいとのこと。

宇佐八幡宮神託事件

弓削道鏡(ゆげのどうきょう)という法皇(お坊さんの中で最高責任者)が、孝謙天皇(後に称徳天皇)という女性天皇のそばで仕えていて、次の天皇になろうとしたということがあったそうだ。宇佐神宮の神様が、「次の天皇に弓削道鏡がなると天下泰平になる」と大宰府(九州の行政府)通じて都に伝わり、真実を確認するため、和気清麻呂(わけのきよまろ)のお姉さん和気広虫(ひろむし)に命令が下った。その命令を弟の和気清麻呂に託され、宇佐の神様に聞いたところ、「天皇は代々皇族しか付けない。嘘つく人は追い出しなさい」と言われ、都に帰り、その旨を伝えたら、薩摩の国に流されたとのこと。その後道鏡は失脚し、和気清麻呂は1年後に復帰したそうだ。

江戸末期、島津斉彬が和気清麻呂が流されていた場所を家来に探させ、いた場所を見つけ、のちに和気神社が建立された。その場所は、現在の霧島市隼人町にあり、白いイノシシを飼っていて、わけちゃんというらしい。和気清麻呂が都から流される時に、刺客に襲われないように300頭くらいのイノシシが守ったという伝説があるそうだ。

和気清麻呂が神託を受けた際、宇佐の神様は大尾神社にいたとされ、その脇には和気清麻呂を祀ったある護皇神社がある。皇室をお護りした神社という意味だそうで、表参道から東に歩いて15分くらい言ったところにある。写真の奥に小さく見える赤の鳥居が、大尾神社の鳥居だ。

宝物館

宝物殿には、国宝の孔雀文馨(くじゃくもんけい)という仏具の一つで、中国では楽器の一つとして扱われている所蔵物がある。孔雀の模様が表についていて、お経の最中に叩き、裏側にはいつ誰が誰に送ったが書いてある。1209年に、京都の石清水八幡宮の田中祐清さんというお坊さんが弥勒寺に送ったと書いてあると読み取れる。

初澤池(はつさわのいけ)

宝物館前にある初澤池は、奈良の猿沢の池、京都の広沢の池とともに、日本三沢の池といわれていて、6月終わりから8月末までの夏の時期には、美しい原始ハスが咲くとのこと。

大尾山参道

大尾山参道では、流鏑馬が8月1日におこなわれ、馬は杭の中を走り、板にめがけて矢を放つが、板の大きさの割になかなか当たらないとのこと。至近距離で見ることができるので、馬のスピードを感じることができるそうだ。

頓宮(とんぐう)

7月末に、夏越神幸祭(なごししんこうさい)という夏祭りがあり、神輿が3基出て、頓宮に2日間泊まって、上宮に戻るそうだ。

式年遷宮の行事が、鎌倉時代のころまでは33年に1回行われていた。この場所に、上宮の本殿が建てられ、神事がおこなわれていたとのこと。

能楽殿

毎年10月21日に、能楽殿で能と狂言を見ることができるそうだ。

絵馬堂

馬の絵馬がある。昔は馬を奉納されていたが、高価だったので、絵馬で奉納されたという説が有力だそうだ。

小椋山(亀山)

宇佐神宮の社叢(しゃそう)といい、国指定天然記念物になっていて、クスノキやイチイガシなど常緑広葉樹林が自然状態を保っている。

御田植祭

砂利の中の緑になっている部分で、御田植祭がおこなわれる。カラフルな着物を着て、2~3才の少女がおこなうとのこと。

御霊水

571年に、八幡の神様が最初に現れた場所で、3才の童子が現れ、「我は八幡の神様である」と告げられたそうだ。その後、宇佐市内の違うところ2か所に行き、725年に宇佐神宮に上宮の本殿に来て、宇佐神宮が始まったとのこと。

亀山神社

大山祇命(おおやまづみのみこと)が祀られ、山の神様としてご利益があるといわれている。

宇佐神宮内のお参りは、すべて「二礼四拍手一礼」でおこなうが、なぜそのようにおこなうかという意味は諸説あり、良く分かっていないとのこと。

夫婦石

若宮神社の手前の参道の中央に、三角形の石が二つあり、夫婦やカップルは手をつないで一緒にその石を踏むと幸せになれるらしい。

宇佐鳥居

県指定有形文化財になっていて、

  • 反った屋根
  • 黒の台輪
  • 石の上に乗った鳥居
  • 額束がない

この形を宇佐鳥居といい、宇佐神宮の鳥居は全てこの形になっている。ここにある鳥居が原型とのこと。

続きはこちら

宇佐市観光ガイド

宇佐神宮は、全国八幡様の総本宮で、神輿と神仏習合の発祥地として有名です。隼人の乱平定ののち、慰霊のためにはじまった放生会や境内に弥勒寺を建立したことなどがそれをよく表しています。宇佐市の歴史だけでなく、雑学などいろんなことを知っているので楽しく回ることができます。ぜひご利用ください。

所在地
〒872-0102 大分県宇佐市南宇佐2179-3 宇佐市観光協会内
電話番号
0978-37-0202

ツアープラン情報

ツアー名
宇佐神宮〜前編
料金
2時間まで ¥3,000円
2時間以上4時間まで ¥5,000円
4時間以上 ¥10,000円~
開催日時
8:30〜17:00
ツアー時間
お問い合わせください
予約受付
7 日前まで
お問い合わせ
宇佐市観光ガイド
TEL
0978-37-0202
定休日
12/30〜1/3
営業時間
8:30〜17:00
このツアーに申し込む