尾鷲神社周辺コース(北浦町・街道コース)

尾鷲神社・金剛寺を回った後、世界遺産に登録されていないまちなかの熊野古道を歩きます。住宅が立ち並ぶ風景の中から、歴史・文化を感じ、知られざる熊野古道に触れていきます。

帯同していただいたガイドさん

お名前
濱口 禎也(はまぐち ていや) さん
ガイド歴
20年以上
趣味・特技
郷土史研究、化石・自然観察
一言PR
熊野古道をはじめ、尾鷲市の町なかの歴史・名所・旧跡など多方面からガイドします!

尾鷲神社

津波被害が何度もあり、詳しい資料は残っていないが、約1300年前の大宝年間701~703年頃に建立されたと言われている。社殿は大きなクスノキの西側にあったが、江戸初期に現在の地に移転。宝永4(1707)年の大津波の時にすべて流され、再建。現在の建物は大正4(1915)年築になる。

鳥居

鳥居は伊勢神宮と同じ神明鳥居で、2か所にあるが、どちらから入ってもよい。鳥居に入る手前は人間社会、入った後は神様のいる領域になる。参拝者は両端を通り、鳥居の前で一礼をする。江戸時代は左側通行(刀を差さない方向)だった。

大楠(別名:夫婦楠)

クスノキは2本あり、樹齢1000年以上と推定されている。現在木の周り9~10m以上あるが、寛永13(1636)年に紀州藩が調査資料によると当時6mだったと記録されている。建立時(700年頃)から楠があったと推測されている。昭和12(1937)年11月12日、三重県の天然記念物に指定される。

お馬堂

昔は馬を奉納する風習があったが、だんだん馬の像を奉納するようになっていった。お馬堂にある馬の木像は、旧堀町から寄付されたものになる。今は絵馬を奉納されることが一般的となっている。

狛犬

拝殿の手前両側には、口を開けた「阿(あ)」口を閉じた「吽(うん)」の狛犬が神社の守り神として鎮座している。

拝殿

拝殿の後ろに幣殿(へいでん)があり、さらに奥の本殿の中に神様(主祭神:武速須佐之男命)が祀られている。

金剛寺

金剛寺は曹洞宗のお寺で、山門前には「不許葷酒入山門」書かれた江戸時代(文化8(1811)年)の碑(葷酒塔(くんしゅとう)という)がある。意味は、「葷(臭いや辛みがつよい野菜や肉類)・酒を持ち込む者は山門に入ることを許さず」になる。

紀州藩だった尾鷲の町で、正月に和歌山城で藩主に面会できたのはここの住職だけだったそうだ。

山門の両側にある仁王像が「どの角度でにらみつけているか」は、お寺によって異なり、仁王像のあるお寺では角度を確認することが楽しみ方の一つとのこと。

興和観音像

昭和12(1937)年に起きた日中戦争で亡くなった方を弔うために建てられた。亡くなった日本人だけでなく、日中戦争すべての犠牲者を弔っている珍しい観音像だ。

熊野古道 伊勢路

「熊野古道 伊勢路」は、日本人にとって特別な場所である「伊勢神宮」から、いくつもの険しい峠を越え、熊野速玉大社・熊野那智大社・熊野本宮大社の熊野三山を詣でるために通った“祈りの道”と言われている。古くには、「伊勢に七度、熊野に三度」という言葉もあったほど、伊勢とともに熊野は誰もが訪れたいと願う憧れの地だった。

尾鷲の町に入る前の天狗倉山(てんぐらさん)からは、尾鷲の町や海が一望できる。馬越(まごせ)を下って、尾鷲の町に入る。

天狗倉山から尾鷲の町を望む風景

津波避難看板

過去の津波では、大変な犠牲者が出ているので、日頃から津波の避難訓練がおこなわれている。

惣廻(そうまわり)小屋跡

熊野古道沿いで尾鷲の町の入口には、惣廻小屋跡があった。現在の警察署であり、尾鷲の町を出入る巡礼者・旅人・商人たちを取締まった。

雁木(がんぎ)

家屋の軒先には庇(ひさし)があり、風雨をしのげるようになっている。雁木といい、雪国の雪をしのげるのと同様に、雨の多い地域での生活の知恵である。

鬼瓦

「水」の文字が入った屋根瓦は火災除けで、江戸時代~昭和時代にかけて作られたものだ。

軒瓦の形を見ると、ある程度製作年代がわかる。

幕末の瓦と推定
現代の瓦
大正時代と推定

坂を下りながら見る尾鷲の町の風景

尾鷲の町中を通り、熊野古道・最大の難所と言われた八鬼山に向かう。

徳本上人の六字名号(みょうごう)碑

徳本上人は紀州生まれの江戸後期の念仏行者で、各地に念仏講をつくり、庶民の苦難を救った。徳本上人が書いた「南無阿弥陀佛」のひげ文字が石碑になっている。上人没後、文政13(1830)年に建てられたものだ。

六地蔵

人は亡くなると、地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上の6つの地蔵のいずれか一つに導かれてあの世に行くと言われ、墓地の近くにはたいてい祀られている。

馬越(まごせ)の津波供養塔

「三界萬霊(さんかいばんれい)」と書かれた宝永4(1707)年10月4日に起きた宝永大地震津波の供養塔で、犠牲者7回忌に建立したものになる。石碑には、「男女老幼溺死者千有余人」など被災状況などが書かれている。

おわせふるさとガイドの会

「おわせふるさとガイドの会」は平成18年3月に発足しました。尾鷲市内各地に点在する古く趣きがあり、景観にも恵まれた建造物や歴史・文化などの貴重な地域資源を実際に楽しく歩いてもらいながら、来訪者に紹介しております。

団体窓口
協同組合尾鷲観光物産協会
所在地
〒519-3605 三重県尾鷲市中井町12-14
電話番号
0597-23-8261

ツアープラン情報

ツアー名
尾鷲神社周辺コース(北浦町・街道コース)
料金
ガイド1名につき¥2,000
※ ガイドに係る交通費は別途ご負担いただきます
※ ガイド1名につき、20名まで
開催日時
10:00~15:00
(年末年始除く)
ツアー時間
90〜120分
予約受付
7 日前まで
お問い合わせ
協同組合尾鷲観光物産協会
TEL
0597-23-8261
定休日
年末年始
営業時間
8:30〜17:15
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