曽木の滝と近代化産業遺産

東洋のナイアガラ曽木の滝や近代化産業遺産曽木第二発電所遺構などの歴史エピソードを余すところなくご案内いたします。

見どころ・聞きどころ

  1. 曽木の滝
    壮大な滝を見学する
  2. 曽木第一水力発電所跡を見学する
    明治時代に造られた水力発電所の仕組みや導水路の中を通って体感しながら、当時のスケールの大きさを感じる
  3. 曽木第二水力発電所跡を見学する
    遠方(展望台)から見ても、明治時代に造られた発電所管理棟のレンガ造りの建物の凄さを感じる

概略説明

曽木の滝周辺は、春は桜・秋はもみじがきれいな所だそうだ。今日の行程は、案内板の所から少し滝寄りに歩き、取水口に入る水を調整するための「制水門」を見て、曽木の滝展望所に行き、滝見物、第一曽木発電所跡への導水路を通り、排水口・ヘッドタンク跡・パイプ孔(あな)・第一発電所跡を見た後、車で移動し、国の登録有形文化財に指定の第二発電所遺構を見る。

川内川(せんだいがわ)

川内川は、熊本県あさぎり町にある白髪岳(1417m)が水源地になり、東シナ海に流れるまで137kmの長さがある。

平成18年に大雨が降り、川内川は氾濫したが、奥に見える一本の松は、その時の氾濫にも耐えたそうだ。

曽木の滝にある岩

宮崎県えびの市にある加久藤カルデラが大爆発を起こし、大火砕流が発生した。約33万年前の大噴火に噴出した火砕流が冷えて固まった「溶結凝灰岩」が地表に現れている場所で、灰色の岩が全部火砕流堆積物だ。

曽木第一水力発電所跡(1)

境界標

ここは、柱と柱の間の地下の導水トンネルの位置を示す「境界標」だ。境界標には、日の丸のデザインが入った扇のマークがある。「扇に日の丸」と呼ばれた戦前日本を代表する化学産業の会社「日本窒素肥料」の社章である。

第一発電所 取水口

川内川の水を発電用に水を取り込むように堰が作ってあり、立っている下に取水口がある。

制水門

明治時代の水門で、ハンドルは取水口に入る水を調整するための「制水門」。水が多い時は、この門を手動で開いて水を排出し、取水口に入る水をセーブしていた。

小水力発電

明治時代に造った導水路を使って平成25年度から小水力発電(新曽木発電所)が建設され、年間400万kwh・一般家庭1000軒分の電力に相当するものを発電している。

次の写真は、水路や水車を石やゴミによる損傷から守っていて、ゴミを自動的にかき上げて1か所に集める機械(除塵機)。

  • 水に混じった石や泥を沈める池(沈砂池)
  • 水中のごみを分ける設備(スクリーン)

高耐圧ポリエチレン管

ヘッドタンクから発電所までをつなぐ管路で、強くてサビない高耐圧ポリエチレン管は地中に埋まっている。

野口遵(のぐち したがう)

東京帝国大学電気工学科を卒業。野口は、曽木水力発電所をつくると同時に、熊本県水俣市にカーバイトや石灰窒素という化学原料をつくる工場をつくり、日本窒素肥料株式会社を設立した。曽木で成功した『工場と発電所をセットでつくって化学工業を展開』する方法を国内外地で大規模におこない、事業を大きくしていき「日窒コンツェルン」と呼ばれる企業グループを作った。

曽木の滝

曽木の滝は、川内川のほぼ中央に位置する名瀑布だ。川幅は210m・落差は12mで、東洋のナイアガラと言われている。近くに行くと、迫力満点で吸い込まれそうな気がする。

柳原百蓮の歌

百蓮がここにて詠んだ歌があり、その碑がある。

「もののふの 昔がたりを曽木の滝 水のしぶきに ぬれつつぞ聞く」

観音淵

この岩は、加久藤カルデラから噴出した火砕流が冷えて固まったもの。ものすごい厚さがあり、溶岩まじりの火の壁となって南九州を襲った。観音淵は、豊臣秀吉公の九州征伐の折、主君(島津義久)が降伏し和議を結んだことに対し、大口地頭新納忠元公は賛成ではなく交戦を唱えていた。秀吉公が帰国の途中、曽木の滝見物をされた時、忠元公は案内役をした。その時の武将二人の逸話が残っている。

押川強兵衛の「力石」

新納忠元公の家来の押川強兵衛は、力自慢で対岸の大きな石を持ち上げ並べたという話しがある。

堀之内良眼房(りょうげんぼう)

江戸時代、伊佐からさつま町宮之城まで年貢を納める米を運ぶために約40kmの距離を馬で運んでいた。山道を4~5日かけて、米を納める農民にとってはかなりの苦労だった。そこで良眼房は、川内川の川浚え(さらえ)をおこない、船で運べるようにした。1回で24俵(約1,440kg)の米を2時間で運べるようになった。

第一発電所跡(2)

導水路

今は歩道になっているが、当時は水路だった。トンネルは手で彫ったと言われている。下右の写真を見ると、水路の途中で塀が少し低くなっているところがあるが、これは余分な水を川に戻すための細工である。

ヘッドタンク・パイプ孔(あな)・第一曽木発電所跡

石造りのヘッドタンクがあり、パイプ孔(穴)がある。石を掘ってパイプをはめ込めるように作られている。パイプ孔(あな)を過ぎると川内川が見られる。現在は草むらになっている川岸に第一曽木発電所があった。

発電所跡を見た後、小高い所から曽木の滝を再度見ることができた。

曽木第二発電所遺構

レンガサポーター

レンガサポーターを募って寄付をいただいた方々の名前を記した記念碑で、駐車場内にある。

曽木第二発電所遺構とヘッドタンク

昭和40年まで稼働していたが、鶴田ダム建設によりダム湖に水没した。(10月から翌年5月頃まで水中で、夏にかけて全景を見ることができる)ヘッドタンクは年中見ることができる。

10月~5月くらいまで、ダム湖(大鶴湖)の水の中に沈む。

2階建てレンガ造りで一部3階建て、高さ19m、長さ43m、奥行き20m・建坪669坪。 

川ざらえした時に人夫さんが歌った歌が20番まであり、そのうち3番まで歌ってもらった。

昔利用していた船着場があり、米蔵があった場所。

伊佐市観光ボランティアガイド 伊佐の風

東洋のナイアガラ曽木の滝や近代化産業遺産曽木第二発電所遺構などの歴史エピソードを余すところなくご案内いたします。

所在地
〒895-2526 鹿児島県伊佐市大口宮人635-11 曽木の滝観光案内所
電話番号
0995-28-2600

ツアープラン情報

ツアー名
曽木の滝と近代化産業遺産
料金
1グループ(19名以下)
500円
1グループ(20名以上)
1,000円
開催日時
9:00〜16:00
ツアー時間
20〜120分
(ご希望に応じます)
予約受付
10 日前まで
お問い合わせ
伊佐市観光ボランティアガイド 伊佐の風
TEL
0995-28-2600
定休日
月曜日休(祝日の場合は翌日休)、年末年始(12月29日~1月3日)
営業時間
9:00〜16:00
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