鶴松館、佐土原城跡コース

日向国の戦国大名伊東氏、戦国末期の島津氏、江戸時代の佐土原藩の最重要拠点であった佐土原城跡と、その地に建てられた歴史資料館「鶴松館」を廻ります。

概要

南北朝時代以降に、本家の都於郡伊東氏に対峙して、田島伊東氏が佐土原城を築城(1434~1444)したとされるのが、城のはじまりである。佐土原城は山城で、本丸は山の頂上にあり、主領域約25万㎡(東京ドーム5個分)の広さがある。続日本百名城の一つとして認定されている。

伊東義祐公(1512~1585)が佐土原領主の時代(1536~1577)領地を拡大し、領地内に48城構えたうちの中心の城が佐土原城で、政治経済の中心として佐土原は最も栄えた。

佐土原地区は、鎌倉時代から400年が伊東氏、戦国時代末期から江戸時代にかけて佐土原藩の時代300年が島津氏である。昭和の初めまでは、宮崎隋一の繁華街で、料亭が15軒ほどあった。

鶴松館は、二の丸の跡に復元した。鶴松館に入る門下には、幅13m・深さ5mの内堀があった。城の周囲を地形的に言うと、北側には一ツ瀬川という大きな川が流れ、南西側には、山が馬蹄形に連なり囲まれているので、自然の要塞になっていた。

1625年に、山城を破棄し二の丸で政(まつりごと)がおこなわれるようになった。

佐土原城址

佐土原城は鶴松城と呼ばれていて、江戸時代の2代藩主島津忠興公の時(1610~1637)に、天守台が一度作られた。最近の発掘調査により、天守台の金箔鯱瓦が見つかっている。瓦の製造時期から、江戸時代初期だと特定された。南九州では、天守閣がないというのが通説だったので、大発見となっている。

屋敷跡

鶴松館の裏手には、広い敷地がある。奥に見える建物は、城の修理していた普請所があったところだそうだ。手前の空き地の一角には、小藩ながら大奥もあったそうだ。

大手道

山は砂岩と泥岩で出来ているので、比較的掘りやすい土壌の尾根を削り出して道を作った。敵がこの道から攻めてきても、常に頭上から攻めることができる要塞になっている。

標高約70mの本丸まで、歩いて15~20分間かかるほどの長さが麓からあり、そのほとんどで攻撃をしかけやすいように作ってある。

本丸跡

長い山道からようやく視界が開け、桝形虎口より本丸跡に出る。木が生い茂ったすき間から佐土原の町並みや日向灘を望むことができる。

天守台跡

書物や絵図から、2階建てないしは3階建ての天守があったとされ、発掘調査から確認された。

昔は、城下町や向かいの尾根を通る飫肥街道から見ると小高い所に建っているので、威風堂々としていた天守台が見えたそうだ。

中の道

大手道と別のもう一つの登城路を下る。こちらは崖になっていて、崖の上が天守台・本丸になるので、自然の要塞だということがよくわかる。

虎口(城郭の出入り口)の崖面には、門を建てた時の「ほぞ穴」が残っているが、年月とともに、穴の大きさは小さくなってきているそうだ。

年貢

佐土原藩は年貢が異常に高く、6割5分だったそうだ。生活ができないので、2毛作にして米以外のものを作ったり、木の実・野生動物・川魚・カモ猟など副業を積極的におこなっていたのではないかと思われるそうだ。

鶴松館

当時畑になっていたところを、発掘調査して柱の跡などから、建物が復元され、1993年(平成5年)にオープンした。

佐土原人形

島津豊久が領主の時代、朝鮮出兵(1592~1598年)の後、焼き物の産業を興そうとして朝鮮から陶工を連れてきた。しかし土がもろく、素焼きしかできなかった。そのうちに人形を作るようになった。

代表的な人形の「饅頭喰」は伏見人形が起源であるが、童に「お父さんとお母さんどっちが好き?」と聞いたところ、饅頭を二つに割って「この饅頭のどちらがおいしい?」と問い返したという言い伝えをヒントに造られたそうだ。伏見人形は男の子、佐土原人形は女の子の饅頭喰い人形になっている。

謁見の間

藩主が他藩の使節等と対面する際に使用した大広間が復元されている。佐土原島津家に伝わる鎧や金屏風などが展示されている。

書院(撮影禁止)

年代ごとに、佐土原に関係ある品などを展示しながら、佐土原の歴史を説明している。

~10世紀までの古代
  • 旧石器時代、7~8世紀の下村窯で焼かれた土器など
 平安時代~安土桃山時代
  • 宇佐神宮の荘園(田島荘)
  • 伊東家の祖・工藤祐経が日向の地頭として赴任
  • 400年余り続いた伊東家と佐土原の動き
  • 伊東義祐の全盛期の時代と滅亡
~江戸時代
  • 戦国時代末期の島津家久(沖田畷の戦)・豊久の時代(関ケ原敵中突破)
  • 佐土原藩としての島津家(島津以久~島津忠寛)
明治時代
  • 戊辰戦争での活躍(会津・秋田への出兵)
  • 西南戦争への参加(島津啓次郎晑義隊)
  • 西郷札(印刷・発行)
  • 根井三郎(第二次世界大戦時のユダヤ難民ビザ発給・佐土原町出身)

鶴松館ガイドの会

佐土原城跡に歴史資料館の「鶴松館」ができたのとほぼ同時期に、地元有志が中心となって発足。土・日、祝日はメンバーが交代で鶴松館に詰め、鶴松館内の案内を行っているほか、要望があれば佐土原に点在して残る史跡を案内しています。

所在地
〒880-0301 宮崎県宮崎市佐土原町上田島8227-1
電話番号
0985-74-1518

ツアープラン情報

ツアー名
鶴松館、佐土原城跡コース
料金
無料
開催日時
土・日・祝日
9:30〜16:30
ツアー時間
30分〜2時間30分
予約受付
7 日前まで
お問い合わせ
鶴松館ガイドの会
TEL
0985-74-1518
定休日
平日(開館日:土・日・祝日)
営業時間
9:30〜16:30
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