伊勢市の中心部、高倉山を背にして鎮まります豊受大神宮は、豊受大御神をお祀りしています。豊受大御神は内宮の天照大御神のお食事を司る御饌都神であり、衣食住、産業の守り神としても崇敬されています。
鳥居をくぐり、玉砂利を踏みしめてやさしい木漏れ日のさす参道を歩くと清々しい気持ちに満ちあふれます。
帯同していただいたガイドさん
- お名前
- 喜多島 淳二 さん
- ガイド歴
- 14年
- 趣味・特技
- 漆芸、版画
- 一言PR
- 私たちは、お伊勢さんの魅力を伝えます。
伊勢神宮 概要
伊勢神宮は、日本全国に約8万社ある神社のうち格式の高い中心的存在の神社になる。伊勢神宮は、正式名称「神宮」と言い、内宮・外宮の正宮(しょうぐう)をはじめ、別宮・摂社・末社・所管社合わせて125社の総称になり、伊勢市内はじめ近郊に点在している。伊勢神宮と言っているのは、伊勢にある神宮と言う意味になる。
現在、天皇は126代に当たる。(2024年2月現在)天照大御神の御魂の宿る御神体「八咫鏡(やたのかがみ)」は、第10代の崇神(すじん)天皇の御代に、はじめて皇居をお出ましになり、大和の笠縫邑(かさぬいむら)におまつりされた。ついで第11代垂仁天皇の御代に、皇女の倭姫命(やまとひめのみこと)が天照大御神にもっと理想的なよい土地に移っていただこうと思い、伊賀・近江・美濃・伊勢と何年もかけて探し求め、今の五十鈴川のほとりにお鎮まりになったと伝えられている。これが内宮のご鎮座で、日本書紀に紀元前4年の話として載っている。
外宮 概要
第21代雄略天皇の夢枕に天照大御神が出てこられ、丹波国に鎮座されていた御饌都神(みけつかみ)である豊受大御神に私の食事の世話をするようにしてくれとお告げがあった。それ以来、食事を担当される神様として崇められている。
外宮の中に、食堂に相当する御饌殿があり、1日2回朝夕の食事を作ってお供えする日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい)が1,500年間毎日続いている。
「外宮先祭」といって、まず外宮で祭儀がおこなわれるならわしがあり、祭典の順序にならい、参拝も外宮から内宮の順にお参りするのがおすすめになる。
清盛楠
清盛楠は、江戸時代に京都で発行された伊勢参宮名所図会(観光ガイドブック)に、外宮の名所として紹介されている。平清盛は勅使として伊勢神宮に参向した折、清盛の冠に楠の枝が触ったので、枝を伐らせたという逸話が残っている。
参道
第一鳥居をくぐると、静けさの中に独特の空気感を感じる。外宮を参拝する魅力の一つがこの空気感で、「まず心を洗い清め、静かに玉砂利の音を聴きながら、あまり語らず静かに左側を歩きましょう」とのこと。お伊勢さんのもう一つの魅力、四季折々に姿を変える植物の花や実を愛でることも楽しみ。
鳥居の榊(さかき)
鳥居の柱には、榊が据え付けられている。10日に1度、もしくは祭典の前日に取り換えられる。神域への結界を示し、悪いものが神域の中に入らないようにという意味合いがある。
正宮(板垣内は撮影禁止)
正宮では、国家安泰・五穀豊穣、そして天皇陛下の御代がいつまでも長く平和に栄えますように(皇室弥栄(すめらぎいやさか))を、日々の感謝の気持ちを込めてお参りする。
参拝作法は、二礼二拍手一礼。
式年遷宮
壬申の乱(672年)のあと、即位した第40代天武天皇は、天照大御神を祀っている神宮の神殿が常に瑞々しく尊厳を保つ形でないと国家が守れないのではないかと思い、20年に一度神殿を新しくすることで神様の力が盛んになり日本の国を守ってくれると考えて、式年遷宮が始まった。第1回は持統天皇4年(690年)におこなわれた。平成25年まで62回繰り返し遷宮が執りおこなわれている。令和7年に第63回の遷宮諸祭が始まる。
式年遷宮では、太刀や琴・鏡・絹織物など714種類1576点の宝物を新たに作るため、制作者の腕を磨く場として、日本の伝統工芸の発展に貢献している。
古殿地(こでんち)
遷宮の時にお宮を建て替えるため、現在の建物の横に同規模の敷地があり、その敷地に新しい社殿が建てられる。その敷地のことを、現時点、古殿地という。
多賀宮(たかのみや)
正宮の次に位の高い別宮のうちの一つで、ご祭神は豊受大御神の荒御魂といい、活動的で強い心を持った神様になる。478年に丹波から移った当初からあるお宮になる。神嘗祭(かんなめさい)・新嘗祭(にいなめさい)・祈年祭では、正宮に続いて多賀宮にも勅使が参向され、奉幣の儀がおこなわれる。
多賀宮は、これから事を興そうとする人(例えば商売を始めようとする人)の背中を押してくれる神様として、お願い事をするとよいとの民間信仰もある。
下御井(しものみい)神社
下御井神社は水の神様になる。道の横に流れるせせらぎが365日枯れることなく流れていて、木漏れ日が射し、小鳥の声を聴き、新鮮な空気が漂っているこの空間がガイドさん一番の気に入りの場所だそうだ。
土宮(つちのみや)
土宮は別宮の一つで、地主の神様になる。特徴的なのは、通常お宮は南を向いているが、土宮は東を向いていて、125社のうち唯一になる。元々土着の神様だったからではないかと考えられている。平安時代に宮川で洪水があり、治水の祈願をこの神社でおこなわれたことで、洪水が収まった功績から別宮となった。
風宮(かぜのみや)
神宮では稲の耕作を始めるにあたり、2月17日に五穀豊穣を祈り祈年祭がおこなわれる。4月には籾種を蒔く祭り、5月に田植えの行事、そのあとに稲の成長の大事な時期に気象が安定するようにと天候の順調を願う風日祈祭(かざひのみさい)がある。
鎌倉時代、元寇の時に神風が吹いて国難を救った功績から別宮となった。ご祭神は、級長津彦命(しなつひこのみこと)と級長戸辺命(しなとべのみこと)。
毎年ガイドさんは版画で年賀状を作成していて、ここのアングル(左写真)から作られたことがあるそうだ。
御饌殿(みけでん)・忌火屋殿(いみびやでん)
忌火屋殿は、1日2回(朝夕)神様に捧げる食事を作る場所になる。朝5時過ぎから昔ながらのやりかたで火を起こして準備する。米は窯で蒸す。食事の内容は、御飯・御塩・御水・お酒3献(こん)などを6膳作ってお祓いしたのち、禰宜さんたちが御饌殿に運び、天照大御神が豊受大御神と共に食事をする。このお祭りは約1500年間続いている。
神馬
皇室から贈られた神に仕える馬「神馬」として、内宮・外宮で2頭ずつ育てている。毎月1日・11日・21日の早朝には、皇室の菊の御紋をあしらった馬衣をまとって神馬が正宮に参拝する儀式がある。これを「神馬牽参(しんめけんざん)」と呼ぶ。
大津神社
「北御門」の奥にひっそり御鎮座。ご祭神は葦原神(あしはらのかみ)。もとは五十鈴川の河口にある港町の神社(かみやしろ)や大湊の守護神になる。令和5年に修繕工事を終えて檜の木肌が輝いている。
お伊勢さん観光ガイドの会
伊勢神宮「皇大神宮(内宮)・豊受大神宮(外宮)」を中心に案内しています。 日本の心のふるさと伊勢神宮を散策してみませんか。
- 団体窓口
- 伊勢市観光協会
- 所在地
- 〒516-0074 三重県伊勢市本町14-6
- 電話番号
- 0596-63-6262
ツアープラン情報
- ツアー名
- 外宮ガイド
- 料金
- 無料(内宮含むガイドには交通費1,000円)
- 開催日時
- 9:30〜15:00
※ 12月15日〜1月15日を除く - ツアー時間
- 3通りあります。
外宮 約1時間
内宮 約1時間30分
両宮 約3時間
- 予約受付
- 7 日前まで
- お問い合わせ
-
伊勢市観光協会
- TEL
- 0596-63-6262
- 定休日
- 土・日・祝日
- 営業時間
- 8:30〜17:00