
小牧野遺跡見学ツアーは、環状列石(ストーンサークル)を特徴とする約4000年前の縄文遺跡を無料で案内します。ツアーは5月1日から11月15日まで開催され、予約は開催日の14日前までに受け付けています。
北海道・北東北の縄文遺跡群の概要や小牧野遺跡の詳細などを紹介します。小牧野遺跡は、環状列石や土坑墓、住居跡、捨て場跡などがあり、展望所からは周辺の景色を一望できます。
「北海道・北東北の縄文遺跡群」概要
紀元前13,000年頃に気候が暖かくなり、木の実がなる広葉樹の森林が広がったこと、大型動物が絶滅しシカ・イノシシなど中型・小型動物が多くなったことなど自然環境が大きく変わったことで、狩猟・採集・漁労を基盤とした定住生活へと変わった。日本の歴史では、この時期を「縄文時代」と呼んでいる。北海道・北東北に残る数多くの縄文遺跡は、日本の歴史と文化の成り立ちを今に伝える貴重な文化遺産で、これらを未来へ継承していくため、世界遺産登録を目指し、2021年7月27日に「北海道・北東北の縄文遺跡群」として、登録された。
小牧野遺跡概要
小牧野遺跡は、3aの「共同の祭祀場と墓地の進出」の時代になる。(赤枠)
標高約145mの高さの台地にあり、土地の造成や大型石を川から運搬・設置をおこなった土木工事の実態を知るうえで重要な遺跡だ。
大規模な環状列石
上空から見ると、中央帯・内帯・外帯の三重の輪でできていることがわかる。外帯の外には四重目も出てきているが、現在埋め戻されているため見ることはできない。環状列石の直径は約55mあり、日本最大級となる。もともと畑や林で石が多い場所としては知られていたが、1989(平成元)年に高校生たちがクラブ活動の一環で発見した。1995(平成7)年には国の史跡として指定された。
元々緩やかな斜面だったところの高い方の土を削り、低いところに盛って平地を造って環状列石ができている。
石の数は全部で2899個あり、真ん中の石(次写真)が一番重く、493㎏ある。
石は、角が取れた丸い石の川原石で、麓にある荒川から運び込まれたのではないかと考えられている。
小牧野式配列と呼ばれる石の組み方に特徴がある。(写真手前の丸)国の史跡になった理由の一つになる。
「馬頭観音‥」と書かれた石があり、石は縄文時代のものだが、文字は江戸時代に刻まれたものと言われている。(写真奥の丸)
土坑墓
土坑墓は100基以上あり、環状列石の東側に分布していて、楕円形や円形のものなどがある。土を掘り、屈葬スタイルで埋葬する。酸性土壌のため、骨は土に還って残っていない。
住居跡
遺跡の規模はさほど大きくないが、竪穴住居跡が2軒確認されている。ここに住んでいた人は、環状列石の維持・管理や墓を守る人などの特殊な任務をしていた人ではないかと考えられている。
捨て場跡
捨て場は沢に向かって傾斜が始まる地点にあり、多量の土器・石器や祭祀で使われた土偶などが出土している。土器・石器・土偶などは、「縄文の学び舎・小牧野館」に展示されている。
展望所
晴れた日には、青森市内をはじめ、下北半島や津軽半島も臨むことができるそうだ。眼下には、荒川が流れていて、そこから石を運んで環状列石を造った。相当の高低差があり、縄文時代の運搬能力にびっくりする。

一社)小牧野遺跡保存活用協議会
小牧野遺跡は、縄文時代後期前半に作られた日本最大級の環状列石(ストーンサークル)が特徴的で、八甲田山西麓に広がる荒川と入内川に挟まれた舌状台地に位置する遺跡です。ガイドとともに、遺跡を巡ってみませんか。
- 団体窓口
- 縄文の学び舎・小牧野館
- 所在地
- 〒030-0152 青森県青森市野沢沢部108-3
- 電話番号
- 017-757-8665
ツアープラン情報
- ツアー名
- 小牧野遺跡見学
- 料金
- 無料
- 開催日時
- 5月1日~11月15日
(冬季閉鎖: 11月16日~4月30日) - ツアー時間
- 約30分
- 予約受付
- 14 日前まで
- お問い合わせ
-
縄文の学び舎・小牧野館
- TEL
- 017-757-8665
- 定休日
- 12月29日〜1月3日
- 営業時間
- 9:00〜17:00