二ツ森ガイドツアー

太平洋岸の小川原湖西岸の標高30メートルの段丘上に立地します。海進期に形成された湖沼地帯の最奥部で、漁労や貝の採取などが行われ、竪穴建物跡や貯蔵穴が多数見つかっており、大規模な集落でありました。定住発展期前半を中心とした大規模な貝塚を伴う集落であり、湖沼地帯における生業や、海進・海退など環境変化への適応の実態を示す重要な遺跡です。

帯同していただいたガイドさん

お名前
石垣 隆三 さん
ガイド歴
3年
趣味・特技
DIY
一言PR
子供の頃、遊び場でした。地元ならではのガイドをしたいと思います。

「北海道・北東北の縄文遺跡群」概要

紀元前13,000年頃に気候が暖かくなり、木の実がなる広葉樹の森林が広がったこと、大型動物が絶滅しシカ・イノシシなど中型・小型動物が多くなったことなど自然環境が大きく変わったことで、狩猟・採集・漁労を基盤とした定住生活へと変わった。日本の歴史では、この時期を「縄文時代」と呼んでいる。北海道・北東北に残る数多くの縄文遺跡は、日本の歴史と文化の成り立ちを今に伝える貴重な文化遺産で、これらを未来へ継承していくため、世界遺産登録を目指し、2021年7月27日に「北海道・北東北の縄文遺跡群」として、登録された。

二ツ森貝塚 概要

二ツ森貝塚は、紀元前3,500年~2,000年の1,500年間の遺跡(ステージ2:2a)になる。日本全体で貝塚の遺跡は500か所と多くあり、青森県で65か所あるうちここ二ツ森貝塚は最大級の規模になる。エジプト文明や三内丸山遺跡と同じ時期になる。

二ツ森貝塚館

七戸町には、二ツ森貝塚以外にも縄文時代の遺跡がいくつかあり、そのうちの山屋(2)遺跡から遮光器土偶が出土していて、その本物が展示されている。

土器の破片や石器・動物の骨、加工した装身具に触れることができるコーナーがあり、感触や重さを感じることができる。

縄文海進

気候温暖化が始まり、海の水がだんだん上がってきたことを海進という。ピークの高さは今から6,000年ほど前(紀元前4,000年)になる。二ツ森貝塚は、紀元前3,500年~なので、少し海の高さが引いてきたころで、海岸は遠浅になっていた。(次写真で、濃い水色が現在の小川原湖(汽水湖)で、薄い水色が海進の頃の湖)

貝層剥取断面

地中の断面が展示されていて、ヤマトシジミの貝殻がたくさんあることがわかる。上の層にはヤマトシジミがあり、下にはハマグリなどの海の貝殻がある。このことで海面の水位の変化がわかるそうだ。他にも、鹿・猪・熊・狸など動物の骨や土器片やクジラの背骨などもある。

暮らし

発掘された鹿の骨には、矢じりが刺さったままのものもあった。

貯蔵穴から、貝と一緒に子供を含めた9体の人骨が見つかっている。そのうちの一つ、頭蓋骨の一部が展示されている。

犬の骨も見つかっている。バラバラではなかったので食用ではなく、飼っていたと考えられている。埋葬した状態で、ほぼ完ぺきな形で貯蔵穴から見つかっている。貝と一緒にあり、骨が酸化から保護されたため、残っていた。

交流

新潟県糸魚川のヒスイ、秋田県男鹿のアスファルト、北海道の緑色岩・黒曜石、津軽半島のベンガラ、久慈のコハクなどが二ツ森貝塚から見つかっているので、広域の交流があったと考えられている。

二ツ森貝塚(史跡公園)

1998(平成10)年に、国の史跡に指定された。もともと畑で土器が出ることは知られていた。指定される前は自由に土器を拾うことができたので、1981(昭和56)年の小学校の卒業記念として、自分たちで拾って作った物が展示されている。

史跡公園は、約45,000平米(東京ドーム1個弱)の広さがある。二ツ森遺跡全体の規模は約35万平米ある。貝が出てくる地中の深さは、約1.5mになるそうだ。

しぇりーぬ

犬の骨が出てきた辺りで、犬が見つかった話を聞いた。二ツ森貝塚のマスコットは犬をモチーフにしていて、貝=シェルとイヌを掛け合わせたしぇりーぬと言うそうだ。

竪穴住居跡

150棟ほど住居跡が見つかっているので、大規模集落があったのではないかと考えられている。半地下で冬暖かく、夏涼しい。暖炉を囲むための石はこの辺りでは取れないため、土器片を利用していた。

貝殻・土器片

丘のへりに近づくと、ヤマトシジミの貝殻や土器片がそこら中にあったが、国の史跡に指定されているので持ち出すことはできない。

現在の住居

公園の西側には住宅があるが、国史跡の指定を受けているため、少しずつ移転補償していっているのが現状だ。

民家近くから9体の人骨が発掘されている。

駐車場を造るために発掘したら、長さ1m・幅70cm・深さ70cmほどの楕円形の墓が40基ほど見つかった。

二ツ森貝塚ボランティアガイドの会

二ツ森貝塚ボランティアガイドの会は、平成10年に国史跡に指定された二ツ森貝塚が、令和3年に北海道北東北の縄文遺跡群の構成資産として世界遺産に登録されることを機に、有志により令和3年に設立されました。当初会員は6名で、二ツ森貝塚のPRを目的として、ガイド研修、体験講座計画などを経たのち、二ツ森貝塚館、史跡公園でのボランティアガイド、貝塚館での土器づくりやアクセサリー作りなどのワークショップ、新幹線七戸十和田駅でのおもてなし活動、お土産づくり活動など様々な形で活動を行っています。

団体窓口
二ツ森貝塚館
所在地
〒039-2752 青森県上北郡七戸町鉢森平181-26
電話番号
0176-68-2612

ツアープラン情報

ツアー名
二ツ森ガイドツアー
料金
無料
開催日時
10:00〜16:00
(貝塚館通年、史跡公園は冬季閉鎖(12月~4月)を除き対応)
ツアー時間
貝塚館、史跡公園それぞれ約40分
予約受付
9 日前まで
お問い合わせ
二ツ森貝塚館
TEL
0176-68-2612
定休日
月曜日(祝・休日の場合は翌日)、年末年始(12月27日~1月4日)
営業時間
10:00〜16:00
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