有田焼を学ぶ、有田の歴史に触れる、窯元を巡るコースをメインに、お客様の希望に沿ったプランを提供します。
泉山磁石場
① 概要説明
JR有田駅で待合せ、車で10分ほど走り(約3.8km)、泉山磁石場に着く。
挨拶をした後、地図を使って有田の地形についての説明を聞く。有田は、南北に山が迫っているため、町並みは東西に長く伸びている。その東の端に、泉山磁石場がある。
② 泉山磁石場について
16世紀後半、豊臣秀吉が行った朝鮮出兵の時に、佐賀の鍋島藩も参加し、帰るときに連れてきた陶工の一人(李参平)が、1610年代にこの磁石場を見つけたとのこと。それまでは原料に土を使った陶器がほとんどだったが、この磁石場を見つけた頃から、日本で初めて石を原料にした磁器が広まったそうだ。陶石は真っ白で、それを砕いて造られているのが特徴。しかし、空気に触れて数年経つと、含まれている鉄分のせいで、表面は黄色く変色するとのこと。山肌を見るとそれがわかる。
③ 有田焼と伊万里焼について
有田で焼かれた磁器は、伊万里港を経由して各地に出荷されたため、当初は伊万里焼という商品名がついていたそうだ。明治時代に入り、鉄道が通り始めてから、伊万里港経由で出荷することがなくなり、有田焼の名称に変わったとのこと。江戸時代に焼かれた伊万里焼は、現在「古伊万里」と言われている。
④ 磁石場としての成り立ちについて
泉山磁石場は、現在削られた状況になっているが、もとは山の状態だった。火山活動で溶岩ができ、冷えて流紋岩になる。そして、200~300℃の熱水に触れると白くなるとのこと。通常は熱水に触れた部分のみが白くなるが、泉山磁石場の場合は、北側にある英(はなぶさ)山の火山活動で、溶岩が泉山磁石場の上に降って、200mほどかぶさったため、山全体の流紋岩が熱水に触れる状況になったことで山全体の流紋岩が白くなったのではないかという話しだそうだ。そのかぶさった状態が、1万年に1mずつ自然になくなっていたので、200万年ほど経た1600年頃、ちょうど李参平さんがこの磁石場を見つけたのではないかということだった。この話は、NHKの番組「ブラタモリ」の中でタモリが投げかけたことから、見学ガイドの中で、話しをするようになったそうだ。
陶山(すえやま)神社
有田の中心街に戻り、境内をJR線が走っているという珍しい陶山神社に行く。泉山磁石場が発見された後、1658年に創建された。鳥居横には、現在100万人以上が訪れる陶器市を100年以上前に企画した深川六助翁や一部の家にしか認められなかった焼き物作りを開放するよう努力した八代深川栄左衛門翁などの石碑がある。階段を上ると、鳥居をはじめ数々の磁器が奉納されているので、必見。
町並み散策1(トンバイ塀のある裏通り)
登り窯を作るときに使用されたレンガが20~30年経つと脆くなり廃棄されるので、そのレンガを赤土で塗り固めて壁にするのが盛んだったそうで、トンバイ塀という。トンバイは中国語だそうだ。表通りは商人さんが居住し、職人さんが裏通りに居住していたそうだ。その裏通りを歩いていると、先ほどの陶山神社の横の山すその李参平氏の碑が遠くに見えてくる。引続き歩いていると、1828年8月9日に起きた大火の時に、人が背負って難を逃れた地蔵が祭られているお堂に出会う。さらに進むと、辻精磁社という看板の家が出てくる。江戸時代から天皇家御用達として商品を納められ、しっかりとした門構えと立派な塀が現れ、高い塀は独自製法の秘密を守るため塀だそうだ。独自製法の秘密を守る事が、どの家にとっても重要なテーマだったそうだ。
町並み散策2(本通り 観光協会まで)
裏通りから本通りに出る所で、会社敷地内の坂が見えてくる。この坂を利用した登り窯の跡(西登窯)だそうだ。少し進むと、火事の際の延焼予防になるという両壁にうだつのある建物が見えてくる。有田は、国の重要伝統的建造物群保存地区として平成3年に選定され、建造物として161軒が指定されているそうで、火事対策は大きなテーマの一つであろう。指定された建造物には、有田焼で作られたマークがかかっているので、区別はすぐにつく。
町並み散策3(観光協会から)
明治期に香蘭社を創業した八代深川栄左衛門の次男である深川忠次が1894年に興した深川製磁本社ビル。帝国ホテルの元の建物で使用したタイルと同じものを建物に使用されたとのこと。道を挟んだ前には、明治9年に建てられた国の重要文化財である『旧田代家西洋館』がある。外国人商人の買い付け時に接待や宿泊用に使用されたそうだ。さらに進むと、初代深川栄左衛門の流れを継ぐ香蘭社の建物が出てくる。中には、展示・販売コーナーの建物があり、多くの品物が展示されている。最後に、重要無形文化財保持者である十四代今泉今右衛門の建物横にある美術館の展示を見て終わる。
有田観光まちなかガイド
日本磁器発祥の地・有田を深く楽しく知りたい方にオススメ。、最初に見てほしいのは、何といっても泉山磁石場。この採掘場が発見されなければ、有田焼が作られることはありませんでした。ここでの景色を見て、400年前の思いに触れてください。その後、各々の興味のあるプランを巡りながら、有田の町を堪能してください。
- 所在地
- 〒844-0005 佐賀県西松浦郡有田町幸平1-1-1 (一社)有田観光協会 観光ガイド事業部
- 電話番号
- 0955-43-2121
ツアープラン情報
- ツアー名
- 有田の歴史に触れるツアー
- 対象
- 日本磁器発祥の地・有田を深く楽しく知りたい方にオススメ
- 料金
- 1時間あたり
1~5名 1,500円(ガイド 1名)
6~15名 3,000円(ガイド 1名)
16~30名4,500円(ガイド 2名)
31~45名 6,000円(ガイド 3名)
46~60名 7,500円(ガイド 4名) - 開催日時
- 3日前(団体は、1週間前)までに申込み。
有田陶器市・秋の有田陶磁器まつり期間中は予約が集中し、対応できない場合がありますので、ご注意ください。 - ツアー時間
- モデルコースの場合、2時間
- 予約受付
- 3 日前まで
- お問い合わせ
-
有田観光まちなかガイド
- TEL
- 0955-43-2121