唐津街歩き

シンボルの唐津城をはじめ、勇壮な曳山が並ぶ曳山展示場、レトロな外観の旧唐津銀行など、唐津には魅力的な観光スポットがいっぱい。どこに行くか迷ったら、知識豊富なガイドと楽しむ街歩きがおすすめです。説明を聞きながら巡れば、往時の情景がありありと目に浮かぶはず。歴史ロマンあふれる唐津を、ゆっくり探索してみませんか?

旧唐津銀行

明治45年(1912)に、唐津が石炭景気で沸いていた頃、実業家大島小太郎によって、建てられた唐津銀行本店は、唐津出身で日本銀行・東京駅等を設計した辰野金吾公監修のもとで設計されたそうだ。当時は、ヨーロッパや中国大陸に向かう水や石炭を補給する寄港地としても、賑わっていたとのこと。その後、銀行の吸収合併により、昭和30年(1955)から佐賀銀行唐津支店として、平成19年(2007)まで使われていたそうだ。シャンデリアや柱は当時のもので、カウンターは佐賀銀行時代に使われていたとのこと。館内に数か所暖炉があり、燃料は石炭を使っていたそうだ。

支店長室

カウンターの奥には、支店長室があり、立派な大理石とその上に乗る大きな鏡は、インテリアとしての雰囲気を醸し出している。カーテンを留めるタッセルは、最近復元されたもので、最先端のインテリアとしての価値がある。

金庫室

1階カウンターの後ろには、金庫室があり、扉と上についている避難口が当時の銀行の重厚さを表している。

貴賓室

2階には、会議室と貴賓室があり、貴賓室はドア越しに見ることができたが、銀行の来客を迎える雰囲気を十分味わえるつくりになっている。

会議室

展示コーナーになっていて、辰野金吾を紹介しており、1854年に唐津に生まれ、明治時代に入り、英語学校耐恒(たいこう)寮で学んだ。その時の英語教師が、高橋是清でした。薫陶を受け、あとを追って東京に行き、現在の東京大学工学部建築工学科に一度は落ちるものの最下位の成績で入学したが、首席で卒業し、ヨーロッパ留学を果たしたそうだ。留学後、日本人初の東京大学工学部教授になり、その後独立し、200以上の建築に携わり、日本銀行や東京駅を設計し、そして、国会議事堂も設計する予定だったが、スペイン風邪で倒れ亡くなったとのこと。模型がいくつかあるが、地元の工業高校の生徒が作ったそうだ。

地域の有名人

唐津出身の有名人として紹介しているパネルの一人に、建築機材を作っているコマツの創業者竹内明太郎がおり、石炭を掘る機械を作るところから始めたそうだ。唐津鉄工所という会社も起こしており、現在は唐津プレシジョンという名前になっているとのこと。そのほかに、辰野金吾と同時期に建築家として活躍した曽禰達蔵(そねたつぞう)は、唐津歴史民俗資料館になっている元三菱商社の唐津支店の設計監修をおこなっていて、現在佐賀県重要文化財として指定されている。

2階からの風景

2階から下を見る風景やシャンデリアを見ながら、当時をしのぶ。

外観

赤レンガと白い石を混ぜるクイーン・アン方式に、屋根にドームや塔を乗せて、王冠性を強調する辰野金吾流の工夫がみられる建物になっているとのこと。

肥後堀

唐津城三の丸の入り口にお堀があり、石垣が残っている。一度は埋められ、屋台街だった事もあったそうだ。唐津藩は、2代目から6代目まで譜代大名のため、徳川家との結びつきが強く、堅実だったせいなのか豪華な天守閣はなかったとのこと。

からつ曳山展示場

曳山(やま)は、木組み・年度の原型や木型の上に和紙を数百回張り重ね、麻布を張り、幾種類もの漆で塗り上げ、金銀を施して仕上げたもので、完成までには3年前後の歳月を要したと伝えられているそうだ。多種多様な姿態の造形美は稀に見る優れた工芸品として、佐賀県の重要有形民俗文化財に指定されているとのこと。

くんちとは、「供日」と書き、収穫感謝の意があり、「宮日」とも書かれたところから、神社祭礼の日を表すともいわれているそうだ。11月2日の宵曳山(よいやま)に始まり、3日御旅所神幸、4日の翌日祭と盛大に行われる唐津神社の秋季例大祭とのこと。

11月2日夜におこなわれる宵曳山は、提灯ヤマとも呼ばれ、灯りに照らされた14台の曳山が1年振りに命が吹き返したように輝いて町中を廻る。

3日の御旅所神幸は、お旅所のある西の浜へ御神輿のお供をして向かい、笛・鐘・太鼓の三つ囃子を奏で勇壮に町中を巡行する。特に、お旅所では曳山の車輪が砂地に食い込み圧巻とのこと。

4日の翌日祭は、曳山が町中を巡行し、夕方14台の曳山は展示場に曳き納められ、引き子たちは別れを惜しむそうだ。

曳山の装束は、火消し組名残りの江戸履き・腕抜き・パッチと各町揃いの鉢巻・肉襦袢と法被(はっぴ)・赤い鼻緒の草履(ぞうり)に身を固めて旧城下町の威勢よく巡行する。

展示場に展示してある曳山は全14台である。

「あかじし あおじし うらしまたろう よしつね たいやま ほうまる ひりゅう きんじし たけだ うえすぎ らいこう たまとり しゃち しちほうまる」と14台の曳山を唄にしていて、ガイドさんに歌ってもらった。

大島小太郎邸

曳山展示場から唐津神社を通り、神社の北側にある。もともとは、コマツ創業者竹内明太郎邸があり、その後駐車場だった場所に、移設されたとのこと。唐津銀行創設者の大島小太郎邸は、明治時代の建物で、今ある場所より西300mにあり、小学校校舎建設に伴い、解体され、90%当時の材質を使って、復元されたそうだ。庭石は、元々あったものを大島邸から持ってきたとのこと。庭園は四季の移ろいが感じられる。

邸内

玄関を入ると、和室が7室・茶室が3室あり、唐津藩御用絵師だった長谷川雪塘(せっとう)が描いた襖絵や天袋の絵、床の間の床柱には熱帯産の檳榔樹(びんろうじゅ)や黒檀が使ってあったり、欄間や釘かくしの細工など、随所にきらびやかなものがちりばめてあり、目を楽しませてくれる空間が広がっている。その部屋を、会議、お茶、お花の場所として、一般に貸出しているそうだ。手洗い鉢は、唐津焼で作られている。

西ノ門館 曳山の蔵

西ノ門館横にある曳山の蔵には、唐津くんちが終わったら、すぐに曳山を入れて修復が始まり、翌年のくんちまでに仕上げるそうだ。ガラス越しに、修復風景を見ることができる。

唐津焼

唐津には、70数軒の窯があり、土選び、こねる、絵付け、乾燥、焼くところまで、一点一点手作りで、一人でおこなっているそうだ。

番外編

唐津は、イカ刺しが有名ということで、ガイドさんに紹介してもらった店で、大きなイカにびっくりしながら、おいしくいただいた。

唐津よかばいガイドの会

シンボルの唐津城をはじめ、勇壮な曳山が並ぶ曳山展示場、レトロな外観の旧唐津銀行など、唐津には魅力的な観光スポットがいっぱい。どこに行くか迷ったら、知識豊富なガイドと楽しむ街歩きがおすすめです。説明を聞きながら巡れば、往時の情景がありありと目に浮かぶはず。歴史ロマンあふれる唐津を、ゆっくり探索してみませんか?

所在地
〒847-0816 佐賀県唐津市新興町2935-1 JR唐津駅構内 唐津観光協会
電話番号
0955-74-3611

ツアープラン情報

ツアー名
唐津街歩き
料金
ガイド料1人800 円+施設入館料等 2~10名
(11名~は、団体割引あり)
開催日時
9:00〜17:00(平日)
ツアー時間
120分(時間は、内容により変わります。)
予約受付
3 日前まで
お問い合わせ
唐津よかばいガイドの会
TEL
0955-74-3611
定休日
土日祝
営業時間
9:00〜17:00(平日)
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