紅花資料館コース

指折りの紅花豪商の堀米家の屋敷跡地にある紅花資料館を見学します。堀米家に伝わる武器・生活用品・古文書などの展示や紅花の歴史・生産・流通や町にもたらした文化を学びます。

帯同していただいたガイドさん

お名前
阿部 俊 さん
ガイド歴
13年
趣味・特技
ドライブ、旅行

紅花資料館入口

紅花資料館に入る門手前の両側には、紅花を練り込んだピンク色した漆喰の塀が出迎えてくれる。

現上皇・上皇后様が、天皇・皇后様の時に訪れた碑がある。

河北町でも指折りの紅花豪商で代々名主だった堀米四郎兵衛家の約2600坪の屋敷が、地域文化・産業向上のため町へ寄贈され、翌年の昭和59年に、紅花資料館として開館した。

現在資料館の入り口として使用されている長屋門は、江戸時代上客以外が通った門として利用されていた。

武者蔵

ペリーが日本に来航した年の嘉永6(1853)年築になる。武者蔵は、槍・鉄砲・大砲を収納する目的で建てられた。世情不安に伴い、代官から命じられ、農民200名・小作人20名のうち、名主のもと農民兵167名が組織された。

戊辰戦争の時、薩長軍が新潟から小国・米沢経由で北上してきて、(河北町にある)谷地の紅花商人細谷家に泊まっている。

堀米家の家紋は、丸に三つ柏(まるにみつがし)紋といい、柏木の葉を形どっている。柏の木は燃えにくいことから、火災予防の意味合いがあるそうだ。

農民兵を組織したことから、鎧兜もあった。

訪れた時が雛飾りの時期で、ひな人形が展示されていて、珍しい五人官女の展示もあった。雪深い山形県は、1カ月遅れの4月3日に飾る習慣になる。

2階に上がる階段には収納があり、刀などをしまっていた。また階段の上部をふさいで、2階に上がらせない仕掛けもある。

蔵の2階には、帳場を再現してある。

袖を通す掛け布団が当時使われていた。

湯殿

昭和40年代まで使われていた外にある風呂場。湯舟に張るお湯は、母屋で沸かして持ってきていた。

御朱印蔵

御朱印とは、幕府から何々をしてよいという許可証のことで、それをしまっておくための蔵が1863年に建てられた。柱には、地元の彫刻家高山文五郎が彫った細工の獅子がある。

紅花工房「くれない」

紅花工房では、紅花染め体験ができる。(事前予約要)紅花の色素は、99%が黄色で赤は残り1%で、最初は黄色に染まるが、染めて3日ほど経つとようやく赤くなるそうだ。

紅の館

紅の館に入ると、林家の舞楽の展示コーナーがある。谷地八幡宮宮司の林家に伝わる舞楽で、1200年の歴史があり、日本四大舞楽の一つとして国の重要無形文化財に指定されている。飾られている演者の衣装は紅花染めで作られている。紅花染めは通常の照明の光にも弱いので、すべてLED照明になっている。

紅花は、4月20日頃種まきし、7月上旬最初の花が咲く。最初は1輪だけ咲くのが珍しい。

秋篠宮妃紀子様・眞子様が訪れた時の写真が飾られている。その時にお履きになられた河北町の特産品紅花染めのスリッパが展示されている。

紅花染めにも何種類かの色がある。左から二藍・黄染・一斤染(いっこんぞめ)・韓紅(からくれない)・濃紅(こきくれない)になり、何度も染めることで赤の深みが出てくる。

二藍は、藍の上に紅花を染め重ねたものになる。

紅花を摘むタイミングは、花びら全体は黄色の状態で、花びらの下の部分が赤くなってきたタイミングで摘む。花びらが紅くなっている状態で摘むのは遅い。

紅花の歴史

最近の研究で、紅花の原産地はイスラエルと言われていて、シルクロードから中国大陸・朝鮮を経て日本に3世紀に入ってきている。日本では、北九州が最初で、北上し、盛岡の北辺りまで栽培された。

紅花は漢方薬としても使われている。

紅花の花を収穫したら、すりつぶし、固く絞って乾燥させ、平たい餅のようにする。紅餅と言って重ねて運びやすくする。

村山地区の盆地で最上川および支流で栽培される最上紅花が、江戸時代の紅花の生産量1位になる。最上川の山形県、阿武隈川の宮城県(奥州仙台)・福島県(奥州福島)で、全体の3/4作られていた。

明治時代になると、化学繊維が出てきて紅花が廃り、蚕生産に変わっていった。

紅花屏風(生産・販売)

江戸時代の紅花の生産の仕方と出荷の流れがそれぞれの屏風に描かれている。紅餅を乾燥させるときに使ったむしろに色がつき、そのむしろを花笠にして踊ったことが花笠音頭の走りと言われている。

陸送(駄送)

紅餅は、30㎏を一つの束にして、4つ(120㎏)を1駄と呼び、馬1頭で河北町から大石田まで運び、大石田から舟に乗せて運んだ。1駄は金50両の価値があり、当時の米100俵と同じ価格だった。 

北前船

最上川を下り、酒田から敦賀まで船で行き、そのあと京都・大阪に運ばれた。酒田から敦賀までは、順調にいけば10日ほどだった。紅花の最大の需要は京都になる。

べに花ガイド

河北町周辺にある観光施設や、文化、歴史などをご案内いたします。

団体窓口
河北町紅花資料館
所在地
〒999-3511 山形県西村山郡河北町谷地戊1143
電話番号
0237-73-3500

ツアープラン情報

ツアー名
紅花資料館コース
料金
無料
※ 紅花資料館入館料
大人400円
高校生200円
小・中学生150円
開催日時
3月〜10月 9:00〜17:00
11月〜2月 9:00〜16:00
ツアー時間
約60分
予約受付
7 日前まで
お問い合わせ
河北町紅花資料館
TEL
0237-73-3500
定休日
第2木曜日(祝日の場合は翌日)・年末年始(12/29~1/3)
営業時間
3月〜10月 9:00〜17:00
11月〜2月 9:00〜16:00
このツアーに申し込む