五重塔・バス山頂コース

いでは文化記念館から国宝五重塔を拝観し、いったんいでは文化記念館駐車場まで戻り、バス(お客様のお車)で羽黒山山頂まで行き三神合祭殿をはじめとする山頂の様々な史跡をめぐるコースです。2,446段の石段を登るのに自信がない方にもおすすめです。

帯同していただいたガイドさん

お名前
田澤 直子 さん
ガイド歴
8年目

宿坊

スタートのいでは文化記念館から神社に行くまでの間に、立派な茅葺きでできた宿坊があった。江戸時代には300軒の宿坊があったが、今は20数軒ほどだそうだ。

料理は宿坊によって異なるが、精進潔斎(しょうじんけっさい)と言って、動物性たんぱく質を取らず、山菜料理などが出される。

他県から集団で宿坊に泊まりお参りする講が今でもおこなわれていて、体を清めて羽黒山三山参りをする。 

羽黒山神社

石鳥居

元々は下のほうにあったが、昭和30年代にここに移ってきた。扁額には「奉納の上に権現」とあり、神様と仏様が一緒という意味で権現の文字が刻まれていたが、廃仏毀釈により文字を削る。

羽黒山・月山・湯殿山の3つ併せて出羽三山といい、羽黒山は現在・月山は過去・湯殿山は未来を象徴し、3つの神様をお祈りすることで生まれ変われるとされる。この生まれ変わりの旅が江戸時代ブームとなった。1689年には松尾芭蕉も訪れている。

羽黒山は、飛鳥時代32代崇峻天皇御子で聖徳太子の従弟の蜂子皇子(はちこのおうじ)が開山したと言われている。

随神門(ずいしんもん)

明治時代の神仏分離までは、仁王門と言われ仁王様は黄金堂へ移し、その後随神像右大臣と左大臣が鎮座していて悪霊が来ないようにしている。

門をくぐると、羽黒山山頂まで2446段の石段が続く。地元では幼稚園の行事として3才児も登るそうだ。

継子坂

最初は下りで杉並木の中を歩く。前妻の子供を階段のない坂に突き落とし、這い上がろうとしたが息絶え、それを見たお坊さんが観音様として祀ったという江戸時代の言い伝えの話がある。

石段の中に、石に彫られている盃など彫り物が33個あり、全部見つけるとすべての願いが叶い、18個見つけると一つの願いが叶うと言われている。石工のいたずらなどと言われている。

神橋(しんきょう)と須賀の滝

赤い橋(神橋)からは月山麓から8㎞水路を引いて作られた滝が見え、祓川(はらいがわ)に注ぎ、信仰用と水田用に利用されている。毎年3月20日に、2年間修行する神職養成所の卒業前に神様に近づくため、白装束に身を包み裸足で御祓川で禊ぐ。巫女さんもいるそうだ。

爺杉(じじすぎ)

爺杉は、羽黒山で一番古い杉で樹齢1000年と言われ、以前は隣に婆杉(ばばすぎ)があり夫婦杉だったが、明治35年の台風で倒れてしまった。爺杉越しに五重塔が見え、存在感のある風景だ。ガイドさんは冬のこの景色が好きとのこと。

国宝羽黒山五重塔

高さ29m・三間五層の杮(こけら)葺き・素木(しらき)造りで、平将門創建と言われている。昭和41(1966)年国宝になった。冬でも神社の関係者が参道を雪かきして訪れることができる。五重塔の屋根の雪降しが毎年山形でニュースになる。

荒沢寺(こうたくじ)

五重塔を見た後、一旦いでは文化記念館に戻り、羽黒山山頂にある羽黒山神社に向かう途中にある修験道の聖地と言われる荒沢寺による。羽黒山奥之院(羽黒山で重要な寺)と呼ばれ、山伏が修行する道場で、月山への出発寺を兼ね備える信仰上重要な寺になる。女人禁制の石碑が建っていて、昔女性は月山へ上ることが認められていなかった。

羽黒山頂

鏡池

鏡池には羽黒神が姿を現すとして、古くから銅鏡が奉納されたことから、池の掃除がおこなわれると今でも出てきて、博物館に飾られている。

2446の石段

写真の奥に見える赤い鳥居は戦争で供出された後、戦後に庄内地方の小中学生の寄付により建てられたもの。

下から歩いてくると、おおよそ1時間だそうだ。

厳島神社

鏡池に住んでいたといわれる龍神様を祀っていて、本殿の登り龍・降り龍の彫り物が素晴らしい。

三神合祭殿

三神合祭殿は出羽神社(羽黒山)・月山神社・湯殿山神社で、月山・湯殿山に冬季積雪のため参拝できないことから羽黒山に三神を祭られている。4人の力士が梁を担いでいるような彫り物がある。

専属の萱士がいて毎年春から秋にかけて、屋根を1/4ずつ葺き替えているので、4年ごとに必ず新しくなる。

鐘楼と大鐘

鐘楼にある大鐘は建治元(1275)年の銘がある。鎌倉時代以前の製作のため、戦争での金属供出を免れ、現在国の重要文化財に指定されている。

地元羽黒町から毎年2人の山伏が選ばれ、百日に渡り籠り行がおこなわれ、最終日の12月31日に修行を終える。2人の神社職員が鐘をつく以外はつかれることはないそうだ。

鐘楼は切妻造りの萱葺で、五重塔に次いで古い建築物になる。

いでは観光ガイドの会

羽黒山のことを知りたい方には、羽黒山周遊ガイドがおすすめです。地元羽黒で、息を吸うようにその歴史や文化をいっぱい吸い込んできたガイドのみなさんが、一歩踏み込んだ羽黒山へお客様をご案内いたします。

団体窓口
羽黒町観光協会
所在地
〒997-0211 山形県鶴岡市羽黒町手向字院主南72 いでは文化記念館内
電話番号
0235-62-4727

ツアープラン情報

ツアー名
五重塔・バス山頂コース
料金
5,000円
開催日時
4月~11月(7・8月以外は、火曜日休)
ツアー時間
100程度
予約受付
7 日前まで
お問い合わせ
羽黒町観光協会
TEL
0235-62-4727
定休日
火曜日(7・8月無休)・年末年始(12/28~1/3)
営業時間
9:00〜16:30(4月〜11月)
9:30〜16:00(12月〜3月)※ ガイドはお休み
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