白河小峰城址(城山公園)コース

奥州の抑えにふさわしい奥州関門の名城と謳われ、日本100名城に選定される小峰城は、1632年に初代白河藩主・丹羽長重が4年の歳月をかけ、石垣を多用した近世城郭に大改修しました。

帯同していただいたガイドさん

お名前
根本 文彦(ねもと ふみひこ) さん
ガイド歴
5年
趣味・特技
写真・旅行・蓮の栽培
一言PR
お城の歴史に加え、視覚的効果を考えたと思われる石垣の模様に目を向けて欲しい。

石垣1

11mほどあった櫓門(清水門)から城内に入ると、石垣一面の壁が迎えてくれる。よく見ると、石垣の中で円形に組み合っているところがいくつかある。半同心円状落し積みと言い、専門家曰く人に見せる要素が非常に大きい石垣だそうだ。鷹の目にたとえられた珍しい石積みは、優しく見えたり、威嚇して見えたりする。

また、石にノミで筋を彫るすだれ加工が施されていて、太陽の位置によって変わる陰影により石垣の見え方が変わる。

東日本大震災の時には石垣が崩れ、約7,000個の石が崩落した。それを含め約12,000個の石を崩落前の写真を元に8年の年月をかけて、一つ一つ元の場所へ積み直したそうだ。

白河小峰城概略説明

城の南側・東側に、城下町が広がっていて、伊達家(仙台)・上杉家(米沢)・佐竹家(秋田)などの東北の外様大名の侵攻を想定していた造りになっている。

1800年頃、藩主の松平定信公が作成させた建絵図と実寸・材料・工法の資料「白河城御櫓絵図」により、当時とほぼ同じ材料・形で、三重櫓が平成3(1991)年、前御門が平成6(1994)年に再建された。それがこの城のすばらしさとなっている。

前御門

門はくさびで止まっているだけの造りになる。東日本大震災の時、壁にひびが入ったり、瓦は落ちたりしたが、建物は壊れなかった。くさびがあちこち抜けたことで、柱が適当に動き、壊れなかったのではないかとのこと。

前御門の中に入ると本丸になる。

鏡柱

鏡柱は、柱幅2尺2寸(約75cm)の国産ケヤキを使用していて、材料を探すのが大変だったそうだ。

梁は一番重要で、11mの長さがある。手斧(ちょうな)という道具で表面を削ってあり、その加工をすると木材が長持ちすると言われている。

本丸

門をくぐると、広場になっている。かつては、707畳ある平屋の本丸御殿がここにあった。

門をくぐったところから三重櫓を見上げる。櫓の高さは約14mあり、約1.2mのしゃちほこがついている。

櫓の1階は6間四方(約116平米)、2階は4間四方(約51平米)、3階は2間四方(約13平米)で8畳間ほどの広さとなる。しゅっとした感じの櫓は、17時から22時までライトアップされている。

三重櫓

三重櫓が建っているところまで上り北方を望むと、遠くには那須連峰が見え、眼下にはもともとは阿武隈川だった堀が見える。

特に警戒していた北方の伊達家などが攻めてきた時の対策として、川を北側に移して外堀とし、城手前を内堀とした。

小峰城の大改修がおこなわれたその昔、一角の石垣が幾度となく崩れるので、翌朝最初に城へ来た者を人柱にすることを決められた。その朝不運にも、それを決めた奉行の娘「おとめ」が父に弁当を届けに来てしまい、人柱になったという伝説が残されている。

次写真の桜は、「おとめ」さんをしのんで植えられた「乙女桜」で、そのたもとには今でも花が供えられるそうだ。

三重櫓内部

松平定信が描かせたという三重櫓の図面が展示されていて、その精巧さにびっくりする。

戊辰戦争「白河口の戦い」は約100日にわたり繰り広げられた。新政府軍700人に対して、城にいる幕府軍は2500人だったので、絶対勝つと思っていたが、武器力の差で負けた。城の南にある稲荷山では激しい銃撃戦がおこなわれた。

三重櫓の復元のために、この稲荷山の大杉を伐採・製材したところ、戦闘時の弾丸が数多く発見され、その弾跡が残る材木を小峰城の床や柱に使用している。

3階の梁を見ると栓(せん)があり、門と同じく東日本大震災の時にはかなり揺れ、楔が外れていたそうだ。

桜之門

家臣が通った前御門に対して、桜之門はお姫様や女中さんが通った門である。

石垣の内側を覗くと、河原にあるような石(うら込石)が詰め込まれていて、石垣が動かないように工夫がしてある。石垣中心部の排水性も高いそうだ。

石段を下る途中、振り返って城を見る。

石垣2

石垣には、白河石が使われていて、柔らかく風化が進みやすい。

石垣の角は、算木積みという積み方で、角のラインがきれいに揃っていて、丈夫な積み方になる。角の右側が短いと左側は長く、上下は逆になった積み方をしている。

帯曲輪

帯曲輪は、城の中段の部分で、敵の方向を見極める待機場所として使われていた。

その上の石垣に、かつては富士見櫓という2階くらいの櫓があり、富士山が見えたと言われている。  

ヨーロッパの城壁のように見えるこの石垣は、過去に石垣の日本ランキングで3位に入ったこともあるそうだ。

石垣をよく見ると、卍や✙の刻印が入っていることがわかる。専門家はどの石工さんか示すための記号だと言っているが、✙の刻印の石を十字架として拝んだのではないかとロマンを求める人たちもいるようだ。

紅葉のシーズンでは、カエデの木の下から撮る城の写真は映える。

堀越しから見る城

堀越しから見る城も素晴らしい。

ツーリズムガイド白河

『白河市の観光名所を案内して欲しい!』 そんな時に頼りになるのが、ボランティアでガイドを行っている「ツーリズムガイド白河」です。主に白河小峰城、南湖公園、白河関跡のガイドを行いますので、ぜひご利用下さい。   それ以外の案内をご希望される場合は、お問い合わせ下さい。

団体窓口
白河観光物産協会
所在地
〒961-0074 福島県白河市郭内1-2
電話番号
0248-22-1147

ツアープラン情報

ツアー名
白河小峰城址(城山公園)コース
料金
無料
開催日時
9:00〜18:00
ツアー時間
約90分
予約受付
7 日前まで
お問い合わせ
白河観光物産協会
TEL
0248-22-1147
定休日
年末年始
営業時間
9:00〜18:00
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