幕末・維新期に活躍した大村藩の武士たちゆかりの武家屋敷街と玖島城址

大村氏は、中世の戦国時代から江戸時代、幕末、明治維新にいたるまで絶えることなく大村地方を治めてきた、非常にまれな大名です。
肥前大村藩二万七千石の城下町の風情を今もなお残す現在の大村市。
町のあちこちに今も残る武家屋敷跡や石垣をゆっくりと歩いて散策してみてはいかがでしょう。

玖島城跡

玖島城は、1599年に、大村藩の居城として、大村喜前(よしあき)公により、朝鮮出兵から帰ってきた後に築城された。前年に豊臣秀吉がなくなり、戦国時代に戻るのではないかということで、防御に弱い三城城(JR大村駅の裏手)から、三方海に囲まれた玖島を選び、築城したそうだ。大村喜前が朝鮮出兵の時、三方海に囲まれた順天倭城(順天という地に造った城)で守り切った成功体験があるからとのこと。玖島は島だが、守りを固めるため、海の中に深さ4mの捨堀が造られていたとのこと。初代藩主大村喜前は、キリシタン大名であったが後に棄教し、熊本の加藤清正にならい、日蓮宗に改宗した。1614年に、2代目藩主大村純頼(すみより)公のとき、城の大改修をおこなったが、熊本藩の指導を得たと言われている。打ち込み接ぎと呼ばれる工法で、石の角や面を加工し、高く反り返る美しい扇の勾配をもつ武者返しといわれる石垣へと作り変えられた。その石垣を見ることができるのが、板敷櫓の石垣だ。大手門も南側に移設された。大村藩は、2万7千石で、天守閣はなかったそうだ。

桜と花菖蒲園

大村公園は、長崎県では唯一「日本さくら名所百選」の桜の名所であり、九州最大級の花菖蒲園も楽しめる。公園内には、約2000本の桜が植えられており、3~4月には公園全体が桜の木で埋めつくされる。特に、国の天然記念物に指定されているオオムラザクラは、独特の二段咲きの八重桜で花びらの数は少ないもので60枚、多い物は200枚にもなる珍しい桜だそうだ。また、5~6月には、およそ30万本の花菖蒲が咲き誇り、人々の目を楽しませてくれるとのこと。

大手門

城の東側にある武家屋敷から登城するとき、上級武士は大手門から入るが、下級武士は穴門という脇にある石垣の下をくぐって入ったそうだ。

桝形

防御のために造られた桝形も、きちっと残っていて、しっかりした城だということがわかる。

浜田謹吾像

大村藩は、新政府軍として、戊辰戦争を戦った。1868年9月15日にあった秋田角館の刈和野の戦いで、先頭に立ち太鼓を鳴らし、士気を鼓舞した15才の少年だった浜田謹吾が銃弾に打たれ亡くなったのをたたえ、像が建立されている。角館にもほぼ同じ形の像があり、像の方角は、角館とのこと。この関係で、角館と姉妹都市になっているそうだ。

板敷櫓

城内から見る板敷櫓。

武家屋敷

旧楠本正隆邸

楠本正隆は、幕末・明治初期に活躍した大村三十七士の一人で、明治に入ってから、新潟県知事、東京府知事、衆議院議長などを歴任し、男爵になっているそうだ。新潟では、銅像にもなっているとのこと。建物は修復され、県の文化財として登録され、邸内を見学できるようになっているが、見学した日は時間の関係で、中は見ていない。

旧円融寺庭園

旧楠本正隆邸から上小路を通り、旧円融寺庭園方面へ向かうと、鳥居が出てきて、階段を下りていくが、そこから大村市街を望むことができて、見晴らしがいい。

大村三十七士の石碑

亡くなった順に並んでいて、大村藩は幕末、新政府軍側について、戊辰戦争で大活躍している。そのため、明治時代に活躍した人を多く輩出したそうだ。

旧円融寺庭園

円融寺は、1652年に天台宗の寺院として創建され、徳川家の位牌を祀っていたが、明治時代になり、廃仏毀釈で廃寺となった。その庭として作られた旧円融寺庭園は、藪のようになっていた中、昭和44年(1969)に、東京農大の学生によって発見された。横幅50m・縦8m・400個の石があり、三尊方式の石組(仏教の三尊仏のように組む石組)を基本にし、枯山水の庭園で、江戸初期に造られた庭園として現存するものは珍しく、国の名勝になっているとのこと。

武家屋敷街

五つの武家屋敷街があり、その中で、直線が1km続き、36軒の武家屋敷があったのが、上小路(うわこうじ)だ。残っている石垣も多く、昔の雰囲気をとどめる通りとなっている。

浅田家家老屋敷跡

家老を務めていた浅田家は、敷地1300坪以上あるそうだ。1582年にヨーロッパに行った天正遺欧少年使節の4人のうちの一人、千々石ミゲルの孫が浅田家に嫁に来た事でも知られているとのこと。

番外編

大村名物の一つとして、大村寿司をガイドの方に紹介してもらい、おいしくいただいた。魚の切り身や季節の野菜などを散らし、最後に錦糸卵を一面に敷く押し寿司で、お祝いの時には、家庭でもよく作られるそうだ。

おおむら歴史観光ボランティアガイドの会

おおむら歴史観光ボランティアガイドの会は「花と歴史と技術のまち大村」の歴史文化や史跡を分かり易く、楽しくご案内します。大村駅や長崎空港・長崎道大村ICに降り立ったら是非、立ち寄ってみてください。新たな発見や感動をお届けすることをお約束します。お待ちしております!

所在地
〒856-0834 長崎県大村市玖島1丁目45番地3 大村市観光コンベンション協会
電話番号
0957-52-3605

ツアープラン情報

ツアー名
幕末・維新期に活躍した大村藩の武士たちゆかりの武家屋敷街と玖島城址
料金
【徒歩による案内の場合】
・ガイド1人に対し2時間まで1,000円
・それ以降1時間毎に500円
【バスに同乗して案内する場合】
・案内時間2時間までバス1台につき3,000円
・案内時間3時間までバス1台につき4,000円
※3時間を超える場合及び自家用車利用の場合はご相談ください。
※車両の長さをお知らせください。
開催日時
9:00〜17:00
ツアー時間
90~120分
時間は内容により変わります。
予約受付
7 日前まで
お問い合わせ
おおむら歴史観光ボランティアガイドの会
TEL
0957-52-3605
定休日
水曜日
営業時間
9:00〜17:00
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