栗林公園は江戸時代初期から百年以上かけ築庭された、園遊式大名庭園です。紫雲山を背景に6つの池と13の築山を配し、四季折々の景色が楽しめます。
概要
昔は栗林公園近くに港や川があり、風水害が多かった。1588~1640年生駒氏が讃岐藩を治めていた頃、川をせき止め池にし、公園としての造りに変えた。その後松平家に変わり、松平頼重公が「栗林荘」(当時の名称)の整備に力を入れた。
100年以上の歳月をかけて現在の栗林公園の形となった。
お城に近い北門が正門で、東門は当時はなかった。江戸時代、鷹狩りが盛んにおこなわれたので、公園の東側には鷹匠の屋敷が並んでいた。またお抱えの林守がいて、庭の手入れをおこなっていた名残りか、公園の一角には造園課の事務所がある。
現在の敷地は広さ5万坪で、うち1万坪は池となっている。明治時代になり草茫々でさびれていた公園を、明治30年代に入り県知事肝いりで整備がおこなわれた。
商工奨励館
明治32(1899)年に、公園整備の中心的な建物として、香川県博物館として建てられ、建物内は回廊式になっている。現在は結婚式の披露宴もおこなわれている。
お手植松
大正11年、イギリスのエドワード皇太子(当時)と12代松平頼寿(よりなが)公が意気投合して、栗林公園に訪れ松を植樹された。
松を植えることは、長寿を祈願する意味があるそうだ。
鶴亀松
江戸時代高松藩の家臣の松で、毎日手入れをしていて、遅刻をよくしていた。そのため五百石から四百石に百石減らされたので、百石松とも呼ばれている。百石を現在価値にすると400~500万円だそうだ。
下の部分は石を110個積み上げ亀の形にして、上は羽を広げている鶴の形を表している。
栗林公園の松
栗林公園には、1400本の松があり、100本が赤松でそれ以外は黒松だ。自然の状態の松が400本あり、その他1000本の松を県の職員の手で1年に1度手入れされる。
1班7名ずつで、北庭・南庭の2班に分かれている。箱松は共同で行うが、それ以外の松は1本1人で決まっている。その中でも、貴重な鶴亀松は班長が手入れする。また、ライトアップする松はその前に手入れすることになっている。箱松は、入れ替えできるように別で育てていて、枯れた場合など補充できるようしているそうだ。
箱松
300年以上にわたる手入れの積み重ねで見事な枝ぶりを保っている。
百花園(薬園)跡
栗林をくりばやしからりつりんに改めた5代松平 頼恭(よりたか)公が、薬草園を造った。当時高松藩士だった平賀源内が、管理に当たった。朝鮮人参・タチバナ・ぶどうなどを栽培していたが、現在はお茶と梅の栽培がおこなわれている。梅は12月頃から咲き始め、日本一早く咲くので早咲きの梅と呼ばれている。
夫婦松
赤松と黒松が重なったもの。人工と自然の両方あり、相生の松と呼ばれている。通常赤松は山に、黒松は海にある。
見返り獅子・ぼたん石
「獅子に牡丹」で、縁起の良い取り合わせの石になっている。
日暮亭
明治31(1898)年に造られた建物で、5室の茶室がある。それ以前には、畳3畳土間3畳の建物があった。(現在は旧日暮亭として、別場所に移築されている)
建物の裏に山があり、山はお月見をする場所になっていた。公園は本来月見をするところだったそうだ。
石壁(赤壁)・桶樋滝
石壁(赤壁)は、柱状節理(溶岩がゆっくり冷え固まり柱のような割れ目)が露出している。赤壁と名付けられたのは、中国揚子江の景勝地の風景に似ているところからだ。
桶樋滝は人工的な滝で、江戸時代はお客様が来た時だけ上から桶に入った水を流した。現在はポンプで自動的に組み上げ、滝を演出している。
旧日暮亭(考槃亭)
日暮亭がある所にあった茶室で、1700年前後に建てられた。当時は考槃(こうはん)亭と名付けられていた。
園外に一度移設されていたものを、昭和20年5月に、栗林公園に戻す運動があり、園内に戻ることになったが、元の場所にはすでに新たな茶室が建っていたので、現在の場所に移築された。
カワセミ
カワセミが南湖と西湖の間にある池辺りに生息している。飛び込むシーンを撮ろうと多くの方がカメラを構えていた。
ガイドさんの知り合いの方がみえ、カワセミのつがいの写真をいただく。
小普陀(しょうふだ)
小高い築山に枯山水の石組がなされたもので、園内の石組みの中で最も古く、室町時代の手法を取り入れて築造されたものと言われ、栗林公園発祥の地とされている。
掬月亭(きくげつてい)
7つの建物があったが、明治に入り茅葺きの2棟を取り壊したため、現在は柿(こけら)葺き屋根の5棟になり、建物は茶室になっている。池に一番近い茶室は、池にせり出しているような造りで、船の舳先のイメージになっている。
根上り五葉松
11代将軍徳川家斉公から賜った五葉松で、字の通り葉が5本1組になるため五葉松と呼ばれていて、盆栽によく利用される。
南湖と3つの島と仙磯(せんぎ)
秦の始皇帝の時代、3つの島のある所に死なない薬を持つ仙人がいるという話しを聞き、多くの部下を仙人を探すため向かわせたという中国の古典がある。3つの島とは日本を指していた。
その後漢の武帝の時代になると、仙人に来てもらおうと宮殿の中に池を作り3つの島を配置した。仙人ならば空を飛んでくるので、そのための目印が必要だということで、石(仙磯(せんぎ))を用意した。栗林公園と京都の仙洞御所に、その池の風景が残っている。
飛来峰から見る景色
富士山に見立てて造られたといわれる築山の飛来峰から見る景色が、栗林公園を代表する景観となっていて、園内随一のビューポイントとなっている。
桜の馬場
江戸時代、藩主の馬場で馬場沿いの土塁上に桜並木があったので、桜の馬場と呼んだ。
ツアーを終えて
栗林公園の歴史をはじめ、見どころの一つ一つを丁寧に説明いただき、大変よく理解でき、楽しむことができました。ガイドさんと一緒に回る価値を再認識しました。
栗林公園ボランティアガイドクラブ
特別名勝栗林公園の歴史・見どころなどをわかりやすく紹介します。
- 団体窓口
- 栗林公園観光事務所
- 所在地
- 〒760-0073 香川県高松市栗林町1-20-16
- 電話番号
- 087-833-7411
ツアープラン情報
- ツアー名
- ボランティアガイドによる栗林公園南庭回遊コース
- 料金
- 無料
※入園料別途(大人410円、小人170円)
※1グループ10名以下 - 開催日時
- 9:00〜16:00
- ツアー時間
- 約60分
- 予約受付
- 7 日前まで
- お問い合わせ
-
栗林公園観光事務所
- TEL
- 087-833-7411
- 定休日
- 年中無休
- 営業時間
- 7:00〜17:00
※ 時期によって、営業時間が変わります。