足摺七不思議ガイドツアー

四国西南端の美しい岬。高さ80mの断崖絶壁の展望台から眺める270°の水平線は地球が丸いことが体感できます。ここでしか見られない、豪快にしてダイナミックな景色を楽しみ、守り神の天然のアオウミガメに会えるかも知れません。また、弘法大師空海にまつわる不思議を体感してみませんか。

ジョン万次郎

ジョン万次郎は1827年土佐清水市中ノ浜で漁師の子として生まれ、14才の時足摺沖で大しけに遭い黒潮に乗って流された。当時黒潮が大蛇行をしていたため、はるか南の無人島に流され、150日ほどサバイバル生活を送った。運よくアメリカの捕鯨船ジョン・ハウランド号に遭難した5人は助けられた。ハワイに寄って万次郎以外の4人はそこで降りたが、万次郎は船長さんにアメリカ行きを進められ、応じた。アメリカで小学校に通って読み書きを習い、難関の高等船員を目指す学校に入り、首席で卒業した。卒業後は捕鯨船に乗り、世界を廻った。約10年後に日本に帰ることを決意し、まず沖縄に戻った。そこで取調べを受けた後、鹿児島(島津藩)・長崎(奉行所)に送られ、長期にわたり尋問を受け、高知(土佐藩)に帰ってきたのが、1年10か月後だった。

そして土佐藩から呼び出しを受け、アメリカや世界の事情などを教えた後、江戸幕府に招聘された。英語やアメリカ事情に詳しかったため、江戸時代末期から明治維新にかけて必要な人材だった。勝海舟が咸臨丸の艦長としてアメリカに行ったときには、通訳として同行している。開成学校(東大の前身)の教授もされ、東京の雑司ヶ谷にお墓がある。

ジョン万次郎の銅像の手には三角定規とコンパスを持ち、胸元にはオリオン座の三ツ星が家紋になっていて、アメリカを見ている。

足摺岬

足摺岬は温暖な気候で、ツバキが群生している。2月末までツバキまつりが開催されているが、今年は咲きが遅いらしい。

展望台

展望台からは周りに遮るものがないので、270°の景色を見ることができ、遠く先の水平線を見ると地球が丸いことが実感できる。年に数回は、室戸岬を見ることができるそうだ。

時速7~10kの速さがある黒潮は、タイミングが良いと海の中に川が流れているように見えるそうだ。その黒潮に乗って、ジンベイ・マンボウやイルカの群れなども岬近くに訪れる。小笠原諸島で卵を産み、青年期を足摺岬で過ごすアオウミガメも見える。

展望台には、NHKの天気予報の中継時に放映される無人カメラがあった。

山のほうに目をやると、木が高く伸びていない。風が強いことと風に乗って潮が葉に付き、成長しないのが理由だそうだ。ツバキも樹齢400年をこえるものがあるが、そんなに大きくなっていない。

遊歩道

ツバキはヤブツバキという品種で半島全体で約15万本あり、岬周辺には約7万本が自生している。遊歩道まで木の枝が伸びだしていて、木が古くなり倒れるものも出てきているので、少しずつ木の苗を植えて手を入れている。

ツバキが咲くと、メジロがうるさいほど鳴き、花の蜜を吸いに来る。

ツバキの花が落ちた歩道の風景もいいそうだ。

遊歩道を歩いている途中で、海岸線に出てくるので、植物の緑と海の青の変化を楽しませてくれる。

アシズリノジギク

アシズリノジギクは白い花が咲き、赤のツバキと黄色のツワブキが一緒に咲く時期には、とてもきれいだそうだ。

上皇様が、皇太子の頃に足摺岬に訪れた時に詠んだ歌の記念碑

「足摺の 岬はるけく 黒潮の 海広がれり さやに光りて」と詠んだ。東京に帰り、きれいだったと話したところ、2年後に昭和天皇がお忍びで訪れたそうだ。

ここから見る景色は、ミシュラングリーンガイドジャポン二つ星をもらった場所だ。先ほどの展望台や奥には灯台も見える。NHKが 2000年に募集した「21世紀に残したい景色」の四国の中でも一番になった景色だそうだ。

地獄の穴

七不思議のひとつ

灯台の下に洞窟が金剛福寺の下まで続いていて、その洞窟の途中にこの穴がある。波が荒いと波の勢いで空気が上がってくることもあった。

コインを入れるとチリンチリンと鳴る。地獄に落ちてしまったかもしれないご先祖様に対して、どうぞ上に上がってきてくださいという願いを込めてコインを入れる。供養の意味で始まったと言われている。

大師の爪書き石

七不思議のひとつ

花崗岩の大きな石に、「南無阿弥陀仏」と刻まれている。「南無阿弥陀仏」は「極楽浄土にお導き下さい」の意味で、1200年ほど前弘法大師が金剛福寺を建立した時に、見つけた石に自ら刻んだと言われている。

亀呼場(展望台)

七不思議のひとつ

カジヤバエという岩の先に、黄金碆(おうごんばえ)という岩があり、大潮になると顔を出す。弘法大師が岬から大きな亀に乗って黄金碆に渡り、海の安全を祈願した。黄金碆には、波切不動尊が刻まれているそうだ。

岩に船がぶつからないように、夜になると灯光下の窓からライトを照らしている。

下の海岸では亀をよく見ることができる。

大師一夜建立ならずの華表(とりい)

七不思議のひとつ

弘法大師が一夜で華表を造らせようとしたが、天邪鬼(あまのじゃく)が鳥の鳴き真似をしたので、朝と勘違いし造るのを断念した。その時の痕跡の石が残っている。

足摺岬灯台

海面から約60mの位置にあり、高さ約18mで大正3年に点灯した。当初は8角形だったが、太平洋戦争中に損傷し、1960年に「平和を世界に届けてほしい」という願いから、現在のロケット型に改築された。灯台の日本百選に選ばれている。

光の強さは46万カンデラで、約38km先まで届く。(目で見える水平線の距離あたりまで)

田宮虎彦先生文学碑

小説「足摺岬」を執筆し、1954年映画化されて足摺岬が観光地化するようになった。

ヤマアイ

染物に使われていたが、藍色ではないとのこと。

亀石

七不思議のひとつ

亀の顔そっくりだが、人の手は一切加わっていない。パワーのある石で、ビリっと感じる人もいるそうだ。

汐の満干手水鉢

七不思議のひとつ

石のくぼみの形が手水鉢に似ていて、汐の満ち引きに合わせて水の量が変わる。汐が満ちていると水がたまり、汐が引いていると水がなくなる。

古い地図を見ると千万滝とか〇〇滝と書かれているが、せり出たところから水が流れるような石の形状を滝と言っていたので、実際には水は流れていない。

根笹

七不思議のひとつ

夜になると、龍が馬の姿に変えてころころと寝っ転がって遊んだため、笹が大きくならない。本当は根は寝るという字を書くそうで、笹は馬にとって薬になる。夜が明けると、天に帰る。

ゆるぎ石

七不思議のひとつ

石をよく揺らすことができればできるほど孝行心が強い。

アシズリコギセル

陸にいる貝で、ツバキの木の穴にいた。

金剛福寺

金剛福寺は四国霊場38番札所。高知県は修行の場と言われていて、寺と寺の距離が長く、37番札所との距離が一番長いので、歩くと2泊~3泊かかる。足を引きづってきたところから、足ずりという名がついたともいわれている。 

823年に、弘法大師が嵯峨天皇の勅願により建立し、弘法大師が自ら三面千手観音立像を刻んでここに安置してお堂を建てた。

門の扁額「補陀落東門」は、平安三筆の一人と言われる嵯峨天皇が書いた。(補陀落とは極楽浄土のことを言う) 

何度か焼失していて、現在の建物は土佐藩2代目藩主山内忠義公により再建されている。

白山洞門

遊歩道を歩いても行けるが今日はあしずり温泉郷の万次郎足湯から見学した。白山洞門は、荒々しく打ち寄せる波によってできた岩山の大きな穴で、高さ16m・幅17m・奥行15mある花崗岩の海蝕洞門としては日本最大級だ。

ここの花崗岩はラバキビ花崗岩と言い、フィンランドやデンマークに多くあり、日本ではここだけにあり、出来た年代は1500万年前と世界一若いものだそうだ。 

ツアーを終えて

足摺岬の展望台に向かう入り口にジョン万次郎の銅像があり、この地域出身と知り、ガイドさんの話しを聞きその当時の歴史に触れることができました。その後、展望台から見る海原の景色に圧倒され、ツバキをはじめ暖かい地方で育つ動植物を見ながら、弘法大師にかかわるいくつかの不思議を体感することができました。

土佐清水市観光ボランティア会

足摺岬と、奇岩が連なり風光明媚(めいび)な景色を楽しめる竜串地区の2カ所に案内所を構え、ガイドメンバーが土・日・祝日及び長期休日には営業しています。 観光案内にとどまらず、「土佐清水の宝」を自分たちで発掘し、歴史や文化を含めた市の魅力を知ってもらおうと活動しています。

団体窓口
土佐清水市観光協会
所在地
〒787-0337 高知県土佐清水市養老303
電話番号
0880-82-3155

ツアープラン情報

ツアー名
足摺七不思議ガイドツアー
料金
ガイド1名 1,000円
(10名まで)
開催日時
9:00〜15:00
ツアー時間
約60分
予約受付
3 日前まで
お問い合わせ
土佐清水市観光協会
TEL
0880-82-3155
定休日
年中無休
営業時間
8:30〜17:00
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