小安峡、川原毛地獄・泥湯コース

地中深く息づく火山活動として、自然の驚異として地上に姿を現す小安大噴湯や青森の恐山・富山の立山と並ぶ三大霊地の一つ川原毛地獄そして秘湯泥湯温泉を見学します。

帯同していただいたガイドさん

お名前
小松 雅 さん
ガイド歴
6年
趣味・特技
歴史探訪
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子供時代に「何もない」と思っていた地元には、面白いものが山ほどありました。ぜひそれを皆様にお伝えしたい。

湯沢市概略

湯沢市は、稲庭うどん発祥地で、麦に適した土地があり、いい水があって麦がよく取れ、うどんを作ろうとした職人がいたから稲庭うどんが名産になった。ジオパーク的に考えて、本来の特産品の在り方だとガイドさんは思うそうだ。稲庭うどんは日本三大うどんの一つで、江戸時代は稲庭御用うどんとして殿様に納められていて、明治に入ってから宮内庁御用達にもなった。昭和に入るまで一子相伝で作られていたが、伝統が途絶える危惧から作り方を明らかにして、地元自慢の産業に発展している。「全国丸ごとうどんエキスポ」というイベントが毎年湯沢市で開催されている。

また、小野小町が湯沢市雄勝町出身と言われている。出身地は諸説あるが、最有力と言われていて、小野小町ツアーもあるそうだ。

今日訪れる『ゆざわジオパーク』は、キーワードの一つが「見えない火山を探そう」で、かつて火山があったけど、今は見えなくなった痕跡をたどっていくルートになるそうだ。太古の火山噴火の痕跡や長い年月をかけて大地を侵食した水の働きなどを見ていく。

小安峡(おやすきょう)

湯沢市一番、有名で人気のある観光地になる。小安峡は、川の浸食によりできた高低差約60mの渓谷だ。何百万年前に起きた巨大な火山噴火の窪みに、カルデラ湖ができ、湖の中に湖性堆積物が沈積した。それが砂岩と泥岩を主としている三途川層で、川の浸食で層が表れた。

小安峡の川底に降りていくということは、歴史をさかのぼるということだ。川原まで降りると、大きな石がある。過去のすさまじい大洪水の時に、上流から運ばれてきたものだ。

大噴湯

緑の藻が出てくるが、水が暖かい(温泉が湧き出ている)ということだ。岩には砂岩と泥岩の層を表す横縞が入っていることがわかる。湯温は98度に達していて、岩の隙間から噴き出す湯は、季節や雨の量により変わり、今日は勢いがあるそうだ。

最後の氷河期の終わりの頃、地層が脆くあっという間に削られ、小安峡ができた。川底の地層が固いのは、二酸化ケイ素(水晶の成分)を含む熱水に長くさらされて、本来柔らかかった堆積岩が固くなったためだ。地下にあった地熱が、谷底近くの断層の割れ目から横にお湯が噴出している。今出ている場所も二酸化ケイ素により割れ目がいずれ埋まり、違う場所からまた噴き出すことになるのではないかとのこと。

菅江真澄

文化11(1814)年、江戸時代の紀行家菅江真澄61才の時、小安峡を訪れ、絵と文章を書いている。断崖絶壁から身一つのロッククライミングで谷底に降りて、大噴湯の景色を見たようだ。

不動滝(小安峡の始まりであり終わりである)

「始まり」とは、ここからスタートする不動滝から下が小安峡になる。上は普通の川だ。「終わり」とは、ここから上では、断層の割れ目がなく、お湯の吹き出しはない。という意味だ。

女滝

右の滝は雨が降った後などだけに現れる滝で、左の滝は女滝になる。

江戸時代の紀行家「菅江真澄」1

データに入っている菅江真澄の絵を見せていただく。今も小安の皿小屋屋敷に伝わるさるこ(佐太子)という少女の物語を当時も菅江真澄が聞いたという(左の)絵と、恐ろしい思いをして降りたと書いている小安峡の下から見た不動滝と女滝の(右の)絵。

大湯温泉

小安峡のさらに奥にある大湯温泉。地表で見ることができる地熱地帯で、ボコボコ湧いている風景を見ることができる。

川原毛地獄(かわらけじごく)

黄色く見えるところは、硫黄が結晶になっていて、ガスが出ていると動物が死んでいることもある。過去に事故があり、進入禁止に一部なっている。臭いがしているうちはまだいいが、濃度が濃くなると臭いを感じず、即死になるそうだ。

青森の恐山、富山の立山とともに三大霊地と言われ、僧侶の修行の場だった。中に生き物は棲息していないので静かだそうだ。火山ガスの影響で、石・岩が漂白作用を受けているので、山肌は白い。ガスに含まれる硫化水素は、空気より重く下に溜まるため、かがむと怖い場合もあるので、気を付けたほうが良い。昔は硫黄鉱山だった。

江戸時代の紀行家「菅江真澄」2

川原毛地獄にも訪れていて、相当な煙を上げている風景の(左の)絵と、大湯滝の(右の)絵。 大湯滝の絵は、豪快に滝つぼに流れ込む絵が描かれていたが、今は大洪水があって上から大木が流れて岩を砕いたため、滝が2つに分かれている。書いた当時と今の状況を比べてみるのも面白い。

泥湯 

鎮魂碑

2005年12月に家族4人が亡くなった碑が建っている。ガスが出ている穴の上をふさいでいた雪があったため、穴に気づかず子供が落ちてしまった。それを見て、次から次へと助けようとして全員亡くなってしまった。硫化水素の恐ろしさをあらためて示した事故である。

泥湯温泉郷

菅江真澄もこの山から見た泥湯温泉郷の風景の絵を残している。泥湯温泉には、3種類の源泉がある。

ゆざわジオパークガイドの会

2014年5月の発足以来、地域の皆様のお力添えを頂きながら、長い地球の歴史やストーリーを学び、ゆざわジオパークの語り部となるべく日々活動しております。 ガイドの中には活動を通じて、「生まれも育ちも湯沢市だが、知らないことがたくさんあった。」と言う人もいれば、「湯沢出身ではないが、こんなに素敵な所を知ることができてうれしい」と言う人も。老若男女・出身地を問わず、日々新たな発見は尽きません。 ゆざわジオパークを通じて、皆さんが知っているゆざわ・知らなかったゆざわ、私たちが知っているゆざわ・知らなかったゆざわを、改めて五感で体験・共有する機会のお手伝いができれば幸いです。 少人数でも、短時間でも、移動を伴わなくても、可能な限りお手伝いさせていただきます。

団体窓口
湯沢駅観光案内所
所在地
〒012-0827 秋田県湯沢市表町2-2-10 湯沢駅観光案内所
電話番号
0183-56-6226

ツアープラン情報

ツアー名
小安峡、川原毛地獄・泥湯コース
料金
1時間 1,000円
(ガイド1人当たり10名まで)
開催日時
9:00〜16:00
ツアー時間
4時間
予約受付
7 日前まで
お問い合わせ
湯沢駅観光案内所
TEL
0183-56-6226
定休日
年中無休
営業時間
8:00〜19:00
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