醸造のまち摂田屋散策コース

江戸時代から続く、酒・味噌・醤油の醸造所が集まった摂田屋には全国でも珍しい「鏝絵」やレンガ造りの煙突などの国の登録有形文化財が立ち並びます。

摂田屋概要

摂田屋という地名は、武士や僧侶が利用した簡易宿泊所「接待屋」が由来といわれていて(諸説あり)、接待村という地名があった。長岡方面から三国街道を南に下ってきたところに、摂田屋の入り口がある。

江戸時代、摂田屋はぜいたく品だった酒・醤油などの醸造業が発達した村である。上野寛永寺の領地で規制が緩やかだったこと、雪深い土地で雪解け水が豊富だったこと、による。現在、醸造業を営んでいるのは6軒あり、下の写真の景観は第1回長岡市都市景観賞を受賞している。

摂田屋は、10年ほど前から積極的に観光客を受け入れるようになり、観光客が訪れることで地域の人たちも町の歴史に対する考え方が変わるようになった。

越のむらさき

摂田屋入り口の角にある「越のむらさき」は、天保2(1832)年創業で代々醤油醸造業を営んで来たお店になる。建物は明治10(1877)年竣工で、「越のむらさき」と書かれた煙突は、平成16(2004)。年新潟県中越震災の時に一部損壊したが、町・店の景観上そしてシンボルとして残すように修復された。

道しるべ地蔵

「越のむらさき」の店舗前にある道しるべ地蔵の石台には、右:江戸・左:山道と書いてあり、旅人がこの地蔵を見て、方向を判断した。三国街道は、寺泊・長岡から高崎を経由して江戸に向かう街道になる。摂田屋には宿泊施設がないが、一休みする場所として利用された。 

竹駒神社のお狐様

日本三大稲荷の一つと言われている宮城県岩沼市にある竹駒神社を、明治22(1889)年に「越のむらさき」店舗横に勧請した。右側のお狐様の子供が親を見上げている姿をしていることから、商売繁盛とともに子宝安産としてもよくお参りされている。

旧三国街道

摂田屋は参勤交代の重要な場所でもあった。徳川家菩提寺上野寛永寺の直轄地であったため、諸大名の殿様は、摂田屋の入り口に入ると籠から降りて歩いたことから、殿様街道とも言われている。

消雪パイプ

地下水を使って雪を解かす消雪パイプの発案者は、摂田屋に本社があり、柿の種を最初に作った浪花屋製菓の初代社長今井與三郎氏が中心になって考案したもので、特許権は長岡市に寄付されている。ちなみに、柿の種も商標権をとられていないため、現在どこでも作られている。

天下甘露泉

湧出する地下水の天下甘露泉は、鉄分が少なく適度な軟水で、飲みあたりがすっきりしていて、今も吉之川のお酒の基盤となっている。その水も売られている。

光福寺

浄土真宗本願寺派のお寺で、長岡城から南に約4km(1里)離れていて、西に信濃川が流れている。戊辰戦争の時、河合継之助は5月2日に官軍のいる小千谷に行き、新政府軍と幕府軍の調停役を務めたいと談判しに行ったが、決裂した。光福寺にあった本陣に、翌3日夕方諸隊長を集め、官軍と戦うことを宣言した。光福寺の南約10kmにある朝日山で戦いとなり、長岡藩が勝っていた。その後新政府軍は、信濃川を挟んで対峙していた。川のどこから新政府軍が攻めてくるかがポイントとなったが、長岡城近くから信濃川を渡り攻めてきたため、本陣を構えていた河合継之助率いる長岡軍は、光福寺から急遽長岡城に戻った。しかし、官軍が長岡城を攻め落とした。

長谷川酒造

手づくりを大事にした酒造りをおこなっている長谷川酒造は、天保13(1842)年創業になる。母屋は明治時代、蔵は大正時代に建てられた。母屋は国の登録有形文化財にしてされている。

長谷川酒造の銘柄「雪紅梅」を飲んだ新潟県出身の作曲家遠藤実氏が「この酒はおいしい」と言って、雪紅梅と命名し、遠藤実氏が書いたと言われている文字がラベルとなっている。

味噌・醤油醸造 星野本店

弘化3(1846)年創業星野本店は、創業者が江戸で醤油づくりを学んで、長岡で創業した。現在、オンラインショッピングがおこなわれていて、海外にもファンがいるとのこと。

三十石桶

店舗の外には、醤油を発酵熟成させるために使われた樽が置かれている。1升瓶3000本貯蔵できるそうだ。

三階蔵

敷地の一角には、働く人用のエプロンや半纏(はんてん)などをしまう目的に建てられた三階建ての衣装蔵がある。

蔵の前には庇(ひさし)があり、外壁の構造がわかるように、(壁の)下地を見ることができるようになっている。全9層になっていて、土と土の間に縄などを入れて強固な造りになっていることがわかる。

蔵の入り口は、3枚の戸があり、一番外側の戸は重い板で文字が書いたものが貼られていて、建築された明治15年と書かれている。

蔵の中に入ると、高さがわかるように2階の床板を外してある。スペースを利用して、イベントなどが開かれている。

味噌 星六(ほしろく)

星六は、蔵を本店から移築している。自然食品に興味があり、手づくりにこだわっていて、社長自ら手づくりしている。

「星六」の看板の文字は、画家中川一政が書いている。

吉澤仁太郎宅跡

明治から昭和初期にかけて、養命酒と勢力を二分した薬用酒「サフラン酒」で財を成した吉澤仁太郎が一代で建てた屋敷になる。屋敷は唐破風(からはふ)の屋根で、中に入ると、ケヤキ・桜・紫檀などの木材がふんだんに使われている。

サフラン酒は、「キナ」という樹木の樹皮の成分「キニーネ」がマラリアに効いた。ハワイまでサフラン酒を売りに行っていた。

鏝絵(こてえ)蔵

蔵に書かれた鏝絵は、十二支をはじめとした17種類の動物や9種類の植物が極彩色に描かれていて、鏝絵日本一と讃えられている。しかし猿は書かれていない。「金が去る」から来ているのではないかとのこと。

吉之川

吉乃川は1548年創業で、新潟県で一番古い酒醸造業の会社になる。新潟では酒米は、五百万石を使うことが多い。日本全国では山田錦が一番多いが、新潟県では気候の影響で育たない。

最近では、山田錦と五百万石を掛け合わせた越淡麗という米の品種が酒造りに利用されている。

醸蔵 

大正時代に倉庫として建てられた蔵が使われなくなったため、醸蔵と名前を変え、観光用として現在使われている。クラフトビールも提供されている。

三尺玉

8月2日・3日と2日間開催される長岡花火の最初に、吉之川がスポンサーとなってこの三尺玉を上げるそうで、ナイアガラと同時に花火が上がる。

LIS(Local Identity Store)

蔵を改造した店舗で、若い世代向けに日本酒リキュールや酒かすを生かした商品を販売している。日本酒をウィスキーのように楽しんでもらえるように木の香りをつけている商品なども販売されている。

長岡観光ボランティアガイドの会

郷土の歴史・文化等の知識を高める学習及び会員相互の情報交換を通して親睦を図っています。そして奉仕の精神をモットーにして資質の向上に努め、長岡市を訪れる観光客並びに一般市民に対するガイドサービスを行うことを目的とします。

団体窓口
長岡観光コンベンション協会
所在地
〒940-0062 新潟県長岡市大手通2-2-6 ながおか市民センター2階
電話番号
0258-32-1187

ツアープラン情報

ツアー名
醸造のまち摂田屋散策コース
料金
ガイド1名当たりの料金 2,000円
※ガイド1名でお客様15名様までとなります。
※ガイド料金は事前のお振込み(手数料お客様負担)でお願いします。
※前日・当日のキャンセルは、取消料がかかります。(窓口までご確認ください)
開催日時
8月2日・3日(長岡花火大会開催時)を除く
ツアー時間
約2時間
予約受付
10 日前まで
お問い合わせ
長岡観光コンベンション協会
TEL
0258-32-1187
定休日
土・日・祝日・年末年始
営業時間
8:30〜17:15
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